リヤド市内で8カ所目の緑化計画を開始

(サウジアラビア)

リヤド発

2024年04月26日

サウジアラビア政府は「グリーンリヤドプログラム」の一環として、4月18日に首都リヤド市内で8カ所目の緑化工事である住宅街での植栽活動を開始した(4月19日付サウジアラビア国営通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

今回、リヤドの北西端に位置するイルカ(Irqah)地区では、2万4,000本の植栽に加えて、公園39カ所の建設、学校8校、モスク54棟、4つの政府系施設の緑化計画が進められる。69キロの舗道整備も含まれており、景観の改善にとどまらず、車社会のサウジアラビアで歩く機会を創出し、健康意識を根付かせ、医療費抑制と省エネ対策にも寄与する狙いがある。また、同地区の緑化工事に加え、ムハンマド・ビン・サルマン非営利都市(Mohammed Bin Salman Nonprofit City、注)やワーディー・ハニーファ(Wadi Hanifah)へとつながる3キロの自転車・歩行者専用道路の整備、サルマニ建築による38棟の修復、111カ所の駐車場緑化なども計画されている。

「グリーンリヤドプログラム」は、リヤド市内で計画が現在進んでいる4つのメガプロジェクトの内の1つ。2019年にプロジェクトを開始し、2030年までに合計750万本の植栽、約120の地域を緑化、1,000キロ以上の幹線道路を緑で覆い、40カ所以上の都市公園を整備する。市内の緑化により、リヤドは世界の住みやすい都市ランキング100位以内に入ることを目標にしており、住みやすさやウエルビーイングの向上に取り組んでいる。政府はグリーン・リヤドの推進により5つの効果を期待する。

  1. 人口1人当たりの緑地割合の増加:1.7平方メートルから28平方メートルへ
  2. 緑被率の増加:1.5%から9%へ
  3. 二酸化炭素(CO2)排出量を3~6%削減し、大気の質改善
  4. 酸素濃度、湿度の向上
  5. 平均気温を1.5度から2度ほど下げる

(注)2021年11月14日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相が非営利セクターの世界的な発展のモデルとして、国内・国際非営利組織、イノベーションや起業家活動の支援、未来のリーダー育成を行う世界初の非営利都市の建設を発表。同都市はワーディー・ハニファに隣接するIrqah地区に皇太子が用意した約3.4平方キロの土地に建設を行う。

(平田若菜)

(サウジアラビア)

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