初のeモビリティ政策の草案を発表

(ケニア)

ナイロビ発

2024年04月09日

ケニア道路・運輸省は3月27日、ケニア初となるeモビリティ政策の草案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。キプチュンバ・ムルコメン道路・運輸長官は「交通の新時代の幕開け」だと述べ、道路、鉄道、航空、海運すべての交通手段について、電動化を進めていくことを目指す意向を示した。

政策の草案は、eモビリティ推進にあたっての政策・法制度の整備や、電気自動車(EV)の現地生産、充電設備などのインフラ整備、eモビリティ促進のための財政支援、消費者への普及・啓発など7つの柱からなり、EV専用のナンバープレートも導入する計画だ。

ケニアは石油製品をほぼ全量輸入に頼っており、近年は通貨シリング安もあり価格が高騰し、交通費や運輸コストの上昇が国民の生活を圧迫している。一方、電力は地熱を中心に再エネ比率が89.6%にも上り、豊富なグリーンエネルギー源を有する(2024年4月8日記事参照)。電力価格は上昇傾向にあるが、政府はオフピークである夜間の電力を活用することでEVを推進したい考えだ。

ケニアの自動車市場は不調期にあるが、EVについてはウィリアム・ルト大統領が導入に積極的に取り組み(2023年9月25日記事参照)、EV関連会社の投資は引き続き活発に行われている。2024年3月にはEVメーカーのローム(Roam)が米国政府やその他投資家から、ケニアにおける電動バスおよびバイクの生産拡大のため2,400万ドルを調達したことを発表した。また、同月には電動バス会社のバシゴー(BasiGo)も、電動バスの生産拡大のために豊田通商の傘下のCFAOグループから300万ドルを調達したことを発表した。その他の現地ディーラーも、次々とEVの生産計画を打ち出している。

「ビジネス・デイリー」紙電子版(2023年12月20日)によると、ケニアにおけるEV登録台数(バイクを含む)は2023年6月時点で2,079台と、2月からの4カ月間に729台増加した。

(佐藤丈治)

(ケニア)

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