アフリカ連合、TikTokと#SaferTogetherキャンペーンで提携

(アフリカ、中国、米国、ケニア)

調査部中東アフリカ課

2024年04月03日

アフリカ連合(AU)は3月24日、中国のバイトダンスが運営する動画共有アプリTikTokと、デジタルプラットフォーム上の安全な環境を促進するパートナーシップを提携すると発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。AUはTikTokと協力してアフリカの若者のために、より包括的で安全なデジタル空間を創造することに取り組むとしている。

発表に先駆けて3月14日にガーナのアクラで初めて「TikTokインターネットサミット」が開催され、アフリカ大陸全土から多くの政府関係者や規制当局が参加した。この中で「#SaferTogether」と名付けられた、アフリカの若者や保護者、教育者を含む全ての人にオンラインでの安全を確保する方法を教え、意識を高めることを目的とするキャンペーンを発表した。キャンペーンでは、ハッシュタグチャレンジ(注)や、インターネット上の安全性に関する教育ビデオのアプリ内での視聴、保護者や教育者が重要なデジタル安全問題への対処を支援する「デジタル安全ツールキット」を配布する。

AUの女性・ジェンダー・青少年局長のプルーデンス・ノンクルレコ・ングウェンヤ氏は今回のパートナーシップについて、「アフリカの若者に力を与え、デジタル世界の未来の保護に向けた重要な一歩」と述べた。また、TikTokの政府関係・公共政策担当ディレクターのフォーチュン・ムグウィリ・シバンダ氏は「アフリカ全土の多様な市場に対して深いコミットメントを強化するもので、この取り組みによってより安全なデジタル環境を育むことに尽力する」と強調した。

アフリカでは昨今、デジタル分野の他国企業との提携が進んでおり、2024年2月に国連アフリカ経済委員会が米国グーグルと(2024年3月7日記事参照)、3月にアフリカ連合開発庁が米国メタ(旧フェイスブック)とそれぞれ覚書に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。一方、TikTokを巡っては、3月13日に米国連邦議会下院が規制法案を可決し(2024年3月14日記事参照)、同月21日にはケニアでもキトゥレ・キンディキ内務・政府調整官が使用制限を検討しているとX(旧Twitter)でコメントしたばかりだ。

(注)あるテーマに合わせて挑戦している様子を撮影して、オンラインでシェアし、他のユーザーにもテーマへの参加を促すもの。

(加藤皓人)

(アフリカ、中国、米国、ケニア)

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