入札での差別的な扱いを制限、公平競争審査規則を公布

(中国)

北京発

2024年04月11日

中国の国家発展改革委員会など8部門は4月3日、「入札・応札分野の公平競争審査規則」(2024年第16号令)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。入札・応札などでの資格審査、評価方法、評価基準、信用評価、保証金納付などに関する条件付加を制限するとともに、政府の責任を明確化し、公平な競争を促すもの。5月1日から施行される。

規則では、政策策定機関が入札実施者に対して、入札代理機関、応札者の資格や技術的条件、資格審査や評価の方法・基準を指定することを禁じる。また、電子認証サービスの選択を強制したり、特定の取引ツールの使用を指定したりすることなども禁じる。

応札者への対応については、市場参入ネガティブリスト(2022年4月7日記事参照)以外の業種・分野・業務の企業に応札前に行政許可を取得させたり、該当地域での拠点の設立や社会保険料納付、現地での業績・受賞歴などを求めたりすることを禁じる。その他、特定の業界団体の会員となることを要求することも禁じる。

ほかに、企業が業績を有する地域、所有形態(注)、製品の生産地、企業規模・登録地・市場シェアなどで得点に差をつけることも禁じる。また、政策決定機関が落札方法や落札者を指定したり、落札者を決定する権利を入札実施者以外の組織に委譲させたりすることや、くじ引きや抽選などの方法で落札者を決めるよう規定することも禁じる。

政策策定機関が企業などの信用情報を活用した措置を取ることは認めるものの、企業の資格や業績などで異なる信用評価基準を用いたり、所在地や所有形態で異なる措置を取ったりすることを禁じる。

また、各地方政府の担当部署は定期的に政策評価を行い、公平な競争・審査に違反する規定を正すとともに、一般市民や法人などが公平な競争を妨げる政策について、上級の機関に異議を申し立てることができるとした。

中国は2016年に「市場体系建設における公平競争審査制度確立に関する意見」(国発[2016]34号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、2021年に「公平競争審査制度実施細則」(国市監反壟規〔2021〕2号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを施行するなど、入札での公平な競争確保に関する規定整備を進めてきた。

国家発展改革委員会の責任者は、中央政府は公平な競争の促進に取り組んできたが、一部の関連政策の中には地方保護主義的だったり、所有形態による差別的な内容があったりし、規則の制定はこれらの問題を根源から減少させるとした。

(注)中国の企業は持ち分比率などを基に国有、民営、外資などに分類される。

(河野円洋)

(中国)

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