2024年はアフリカの多くの国が急成長、アフリカ開発銀行発表
(アフリカ)
調査部中東アフリカ課
2024年03月01日
アフリカ開発銀行(AfDB)グループは2月16日、「アフリカ大陸の最新マクロ経済実績と見通し」を発表
した。同報告書は毎年、第1四半期(1~3月)と第4四半期(10~12月)の年2回発表され、投資家や研究者などに評価されている。同報告書によると、アフリカ大陸はアジア地域に次ぐ2番目に急成長を果たしており、2024年のアフリカの成長は世界平均を上回るとしている。さらに、2024年に世界で最も急成長する20カ国のうち11カ国をアフリカの国々が占めるとした。
アフリカ大陸の実質国内総生産(GDP)成長率は2024年と2025年にそれぞれ3.8%と4.2%と予想されている。これは予想される世界平均の2.9%と3.2%を上回る。2024年に特に高い成長率が見込まれるアフリカ大陸の11カ国は次のとおり。
- ニジェール(11.2%)
- セネガル(8.2%)
- リビア(7.9%)
- ルワンダ(7.2%)
- コートジボワール(6.8%)
- エチオピア(6.7%)
- ベナン(6.4%)
- ジブチ(6.2%)
- タンザニア(6.1%)
- トーゴ(6.0%)
- ウガンダ(6.0%)
AfDBのアキンウミ・アデシナ総裁は「世界的、地域的な経済環境の厳しさにもかかわらず、アフリカの15カ国が5%を超える経済成長を遂げている」とし、2024年もアフリカ大陸で最大41カ国が3.8%の経済成長を達成し、そのうち13カ国は2023年よりも1.0ポイント以上高い成長を果たす見込みとしている。
AfDB首席エコノミストのケビン・ウラマ副総裁によると、主要な成長分野への投資、公的や民間の消費の増加、主要輸出部門の成長が成長の背景にあるとしている。また「世界経済の回復力が維持、デフレの継続、インフラプロジェクトへの投資の活性化、債務再編と財政の健全化の進展が続く限り、アフリカ経済の成長は適度な力強さを取り戻す」と予想した。
一方で、アデシナ総裁は、新型コロナウイルスのパンデミックからの予想よりも早い回復がアフリカ各国の歳入増加と財政赤字改善につながったと強調した上で、現在の世界経済は不確実性が高く、アフリカ大陸の財政状況は引き続き世界的なショックには脆弱(ぜいじゃく)と警告した。
(加藤皓人)
(アフリカ)
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