中国で再投資計画が「ある」企業は76%、華南米国商会が調査結果発表

(中国、米国)

広州発

2024年03月07日

中国の華南地域にある米国企業などで構成する華南米国商会は2月27日、同地域の会員企業の経営状況に関する特別報告書を発表した(注1)。有効回答は183社で、回答企業の49%は米国系企業、35%は中国系企業、9%は欧州系企業だった。

報告書によると、中国での2023年の営業収入について、「前年より増加した」と回答した企業は48%と、2022年の結果(45%)から3ポイント上昇した。「前年より減少した」とした企業は31%と、2022年(33%)から2ポイント下落した(注2)。業種別でみると、製造業で30%、消費財・消費者向けサービス業で58%、専門サービス業で62%の企業が「前年より増加した」とした。一方、製造業で50%、消費財・消費者向けサービス業で20%、専門サービス業で20%の企業が「前年より減少した」と回答した。

中国での2023年の投資収益率について、「プラス」とした企業は80%で、2022年の結果(76%)から4ポイント上昇した。「マイナス」とした企業は4%で、2022年(5%)から1ポイント下落した(注3)。

2023年の中国での再投資について、「行った」と回答した企業は66%で、2022年から14ポイント下落した。うち、2022年と比較して「投資を増やした」とした企業は57%(前年比13ポイント上昇)、「投資を減らした」企業は12%(前年比9ポイント下落)だった(注4)。中国での投資を増やした理由(複数回答可)の1位は「中国市場の成長ポテンシャル」(46%)、次いで「産業クラスター効果(資源、インフラ、労働力、生産能力などの優位性)」(34%)、「政策的優遇」(25%)だった。

2024年の中国での再投資計画については、「計画がある」と回答した企業が76%となり、前年より1ポイント上昇した。うち、再投資の予算額を「100万ドル未満」とした企業は35%、「100万ドル~1,000万ドル」が42%、「1,000万~5,000万ドル」が18%、「5,000万~2億5,000万ドル」が2%、「2億5,000万ドル超」が3%だった。再投資する領域(複数回答可)の1位は「販売、マーケティング、業務開拓」(45%)、次いで「研究開発」「38%」、「自動化と生産性の向上」(32%)、「スタッフの育成とトレーニング」(31%)だった。

華南米国商会のハーレー・セアディン(Harley Seyedin)会長は2月27日、同報告書を発表した会見で「販売、マーケティング、業務拡大は依然として回答企業の主要な投資領域だ。一方で、回答企業はイノベーションや人材育成への再投資にも注目している。これは企業の競争力を強化し、中国が高速成長から質の高い発展へ転換する原動力になるだろう」と述べた(「羊城晩報」2月28日)。

(注1)調査は2023年10月9日~12月31日に実施、会員企業にアンケート形式で行った。回答企業の業種別構成比は、第一次・第二次産業が48%(うち製造業35%)、消費財・消費者向けサービス業が16%(うち卸・小売業5%)、金融などの専門サービス業が36%となっている。規模別では、従業員数250人以上の大規模企業が44%、250人未満の中・小規模企業が56%だった。また、回答企業の73%が中国市場への製品・サービス提供を主業務とし、27%が輸出を主とする製造業だった。輸出を主とする製造業のうち、米国市場向けの輸出を主とする企業は61%だった。

(注2)中国での2023年の営業収入についての回答の選択肢は、前年比較で「15%超増加」「1~15%増加」「前年並み」「1~15%減少」「15%超減少」の5つがあった。「前年より増加した」は「15%超増加」と「1~15%増加」の合計、「前年より減少した」は「1~15%減少」と「15%超減少」の合計。

(注3)投資収益率についての回答の選択肢は、前年比較で「20%以上のプラス」「1~20%プラス」「プラスマイナスゼロ」「1~20%のマイナス」「20%以上のマイナス」の5つがあった。「プラスと回答した」は「20%以上プラス」と「1~20%プラス」の合計、「マイナスと回答した」は「「1~20%のマイナス」と「20%以上のマイナス」の合計。

(注4)2023年の中国での再投資についての回答の選択肢は、前年比較で「15%超増加」「1~15%増加」「前年並み」「1~15%減少」「15%超減少」の5つがあった。「投資を増やした」は「15%超増加」と「1~15%増加」の合計、「投資を減らした」は「1~15%減少」と「15%超減少」の合計。

(汪涵芷)

(中国、米国)

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