ジェトロと北マケドニアの投資誘致機関TIDZ、協力覚書を締結

(北マケドニア、日本)

ウィーン発

2024年03月26日

ジェトロは358日、在北マケドニア日本大使館、北マケドニアの投資促進を行う政府機関テクノロジー・産業開発ゾーン(TIDZ)と共催で、2019年以来5年ぶり(2019621日記事参照)の北マケドニア・ビジネスミッションを派遣した(注)。商社、製造業、IT、金融などの業種から11社が参加した。北マケドニアの工業団地内の外国企業、スタートアップ、工科大学のIT研究所を訪問したほか、主要な輸送ルートとなっている交通インフラの視察、南バルカンの最大の港であるギリシャのテッサロニキ港湾の視察などを実施した。地元の政財界との交流を深めるため、北マケドニア政府主催で、タラト・ザフェリ首相、ファトミル・ベディチ経済担当副首相らが参加した夕食会も行われた。

36日には、ジェトロとTIDZの間で協力覚書(MOC)の署名式が行われた。日本側からは大塚和也駐北マケドニア日本大使、経済産業省の松尾剛彦通商政策局長、北マケドニア側からはベティチ副首相とフィリップ・トシェフスキ外務次官を証人に、神野達雄ジェトロ・ウィーン事務所長とTIDZのヨバン・デスポドフスキ長官が調印した。

写真 署名式にて:(左から)松尾局長、神野所長、大塚大使、デスポドフスキ長官、ベディチ副首相、トシェフスキ次官(ジェトロ撮影)

署名式にて:(左から)松尾局長、神野所長、大塚大使、デスポドフスキ長官、ベディチ副首相、トシェフスキ次官(ジェトロ撮影)

MOCの主な内容は次のとおり。

  1. 日本企業の北マケドニアへの投資促進に関する協力
  2. 北マケドニアの新興企業と日本企業の協力連携やイノベーション促進
  3. ウクライナ復興における北マケドニア企業と日本企業の共同プロジェクトに対する支援

署名に当たって、ベディチ副首相は「北マケドニアと日本は外交関係樹立から30年間、友好的な関係を維持してきた。しかし、それだけでは不十分であり、経済関係の発展も重要だ。今日の覚書の署名は、両国の経済関係発展に向かっての大きな一歩だ」と述べ、「ここ数年、わが国は法的環境の効率化、汚職の撲滅、安全で持続可能な投資を可能とするビジネス環境の整備に力を入れてきた。EU加盟に向かっての法制度などの調整は、外国投資家にさまざまなビジネスチャンスを与え、北マケドニアはEU市場への魅力的なゲートウェイにもなる」とした。松尾局長は「北マケドニアは若い人材が豊富で高度人材で強みがあり、さらに巨大なEU市場につながる連結性の観点でも良い位置にある。北マケドニアは民主主義や法の支配などでしっかり提携できる、信頼がおけるパートナーだと考えている」と述べた。

現在、北マケドニアにはIT関連の日系企業が2社進出している。

(注)ジェトロは本ミッションに先立ち、2023年11月15日に在北マケドニア日本大使館と共催して、ウェビナー「北マケドニア最新ビジネス環境」を開催した(2024年1月23日付地域・分析レポート参照)。

(エッカート・デアシュミット)

(北マケドニア、日本)

ビジネス短信 ed61b7d1c1e8c034