ジェトロ、ラオスに農業ミッション派遣

(ラオス、日本)

ビエンチャン発

2024年03月14日

ジェトロは2月27日~3月1日、「ラオス農業ビジネスミッション」を派遣した。ラオスの農業分野の市場開拓に関心を持つ日本企業や在ラオス日系企業7社8人が参加し、首都ビエンチャンをはじめ、南部のチャムパサック県、セコン県、サラワン県のボラベン高原の企業や農場を訪問。ラオスで農業分野に関わる政府機関や国際機関、地場企業、現地日系企業と交流した。

ラオス全世帯の50%以上が従事する農業は、主要産業として位置づけられており、昨今、諸外国からの投資が増加している。ラオス政府も、付加価値の高い農業や食品加工業の発展、輸出促進、国外からの投資誘致の促進を掲げている。今回のミッションでは、初日にペット・ポムピパック農林相を表敬訪問し、今後の農業分野の展望を尋ねた。ペット農林相は国として農作物の生産、特にクリーン農業に力を入れており、中長期的には(1)商品作物生産、(2)食料安全保障、(3)森林保護、(4)農村開発の4つの柱に注力していきたいと述べた。視察団に対して「今回のミッションでラオス農業の課題や将来性を理解し、今後につなげてほしい。政府として全力で支援する」と述べた。

視察団は4日間にわたり、野菜や果樹農場、コーヒー農園、農業機械・資材販売店、経済特区などを訪問し、農業や関連産業の実態を視察した。農業分野の強みとして、広大な農地の開発余剰があることや、近隣諸国への物流の要所としての可能性、低廉な賃金などが挙げられる。一方で、灌漑設備や市場へのアクセス道路など、インフラの未整備によるフードロス率の高さ、農家の組織化や機械化の遅れによる非効率的な農業生産、気候に適した品種不足による低い面積当たり収穫量などの課題も訪問先企業から指摘された。地場企業や関係機関からは、舗装されていない道路の整備に利用できる土壌硬化剤や、土壌の改善、農作物の生産量増加に寄与するミネラル溶液など、日本企業が紹介した先端技術をぜひ活用していきたいとの声が寄せられた。

写真 農場視察の様子(ジェトロ撮影)

農場視察の様子(ジェトロ撮影)

(山中真菜、山田健一郎)

(ラオス、日本)

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