2月の米30年物住宅ローン固定金利、再び7%台うかがう水準に

(米国)

ニューヨーク発

2024年03月05日

米国連邦住宅金融抵当公庫(フレディマック)は2月29日、2月第5週の住宅ローン金利を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2月第5週の30年物住宅ローン固定金利は6.94%と、1月末(6.69%)から0.25ポイント上昇し、7%をうかがう水準に上昇した。

2022年3月の連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め以来、住宅ローン金利は顕著に上昇し、引き締め開始前の3%台から2023年10月には7.79%にまで上昇した。これに伴って住宅の住み替えが減少し、結果として中古住宅市場に住宅が供給されにくい状態が続き、米国の住宅販売に大きな影響を及ぼしてきた(2023年8月24日記事参照)。その後はFRBの利上げ終了・早期利下げ期待もあり、1月半ばには6.6%まで低下した。これに伴い、1月の中古住宅と新築住宅を合わせた住宅販売の合計値は、前月比3.1%増と大きな伸びを示していた(添付資料図参照)。しかし、2月に行われた連邦公開市場委員会(FOMC、2024年2月1日記事参照)で利下げを急がない姿勢が強調され、その後に発表された物価指標がこうしたFRBの立場を支持する内容だったこともあり、早期の利下げ期待は後退し、再び金利が上昇し始める結果となった。

フレディマックは今回の発表に際し、「最近の金利急騰により、住宅購入の繁忙期となる春に向けた住宅購入の勢いは既に弱まっている。新築販売はプラスの傾向にあるが、金利の上昇と価格の高騰により、住宅の入手可能性が課題となっている。このことは、住宅購入の可能性がある人を傍観者のままにとどめるかもしれない」とコメントしており、米国における住宅市場の先行きは引き続き厳しいものとなりそうだ。

(加藤翔一)

(米国)

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