インド重工業省、新たな電動モビリティー促進スキームを発表

(インド)

ニューデリー発

2024年03月21日

インド重工業省は3月13日、国内の電動の二輪車と三輪車の普及を加速させるため、予算総額50億ルピー(約90億円、1ルピー=約1.8円)の新たな電動モビリティー促進スキーム(Electric Mobility Promotion Scheme 2024=EMPS2024)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

インド政府は2030年までに、乗用車新車販売の3割、二輪車新車販売の8割を電動車(EV)とする目標を掲げている。目標達成のため、政府は2015年にEV生産早期普及策「FAME」を導入し、2019年4月~2024年3月末の第2期(FAME II)のスキームを展開中だ。FAME IIを通じて、2024年1月31日時点で電動二輪車118万5,829台、電動三輪車13万8,639台、電動四輪車1万6,991台に総額579億ルピーを支給している。

EMPS2024の適用期間は4月1日から7月末までとなっている。報道によると、政府高官は「FAME IIIは、より多くのカテゴリーをカバーするために総選挙の後に発表され、EMPS2024の下で行われた登録は新しいスキームにも有効となる予定」と述べ、EMPS2024終了後のFAME IIIの可能性についても触れている(「エコノミック・タイムズ」紙3月13日)。

同スキームの主な対象は、大衆に手頃で環境にやさしい公共交通機関のオプションを提供する観点から、商用に利用される電動二輪車、電動三輪車だ。個人あるいは法人で所有する電動二輪車にも適用する。また、先進技術を奨励するため、「先進バッテリー」を搭載した車両のみに適用する。一方で、FAME IIでは対象となっていた電動四輪車、四輪ハイブリッド車、電動バスは対象から外れた。

スキームの内容は、電動二輪車33万3,387台に1台当たり最大1万ルピー、リキシャ・電動カート1万3,590台に1台当たり最大2万5,000ルピー、電動三輪車2万5,238台に1台当たり最大5万ルピーの補助金を通じて支援するもの。

インドの2023年の電気自動車新規国内登録台数は、前年比5割増の153万1,742台に達し、過去最高を記録した。内訳は、二輪車85万9,990台(前年比37%増)、三輪車58万3,461台(同72%増)、四輪車以上8万8,291台(同2.18倍)(2024年2月29日記事参照)。充電インフラの整備などの課題は引き続きあるものの、今後も大きな成長が予測される市場だ。

(花村大樹)

(インド)

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