ウズベキスタン・日本ビジネスフォーラム開催、「中央アジア+日本」サミットへ協力関係強化

(ウズベキスタン、日本)

調査部欧州課

2024年03月25日

ジェトロは38日、ウズベキスタン外務省、在日ウズベキスタン大使館と共催で、ウズベキスタン・日本ビジネスフォーラムを東京で開催した。両国の官民関係者約300人が出席した。フォーラムではウズベキスタン、日本双方からのプレゼンテーションと、両国組織間で環境、教育などの分野で協力文書の交換式が行われた。

ウズベキスタン側からはバフチヨル・サイドフ外相、日本側からは上月良祐経済産業副大臣とジェトロの石黒憲彦理事長が開会のスピーチを行った。201912月のシャフカト・ミルジヨエフ大統領訪日を契機としたビジネス交流の大きな進展、20241月にタシケントで開催されたウズベキスタン・日本ビジネスフォーラムでの12件の協力文書交換(2024年1月18日記事参照)などの成果を確認し、2024年中に予定されている「中央アジア+日本」対話・首脳会合に向けて、両国間の協力関係の強化を呼びかけた。

写真 開会のスピーチをするウズベキスタンのサイドフ外相(ジェトロ撮影)

開会のスピーチをするウズベキスタンのサイドフ外相(ジェトロ撮影)

写真 開会のスピーチをする上月良祐経済産業副大臣(ジェトロ撮影)

開会のスピーチをする上月良祐経済産業副大臣(ジェトロ撮影)

写真 開会のスピーチをするジェトロの石黒理事長(ジェトロ撮影)

開会のスピーチをするジェトロの石黒理事長(ジェトロ撮影)

ウズベキスタンは近年、経済成長が目覚ましく、過去5年間のGDP成長率は2020年を除いて5%を超える高水準を保っており、投資産業貿易省のフラム・テシャバエフ次官によると、2023年の経済成長率は5.5%だった(注1)。自由貿易区(FEZ)に投資する外国企業への優遇措置など、投資環境も急速に改善されており、2023年の外国からの投資は220億ドルに上った(注2)。同次官は、再生可能エネルギーや社会・産業インフラ、機械、冶金(やきん)、化学、繊維、電機、IT・イノベーションなどの幅広い分野で、日本企業の参加が期待されるプロジェクトを多数、具体的な数字とともに提示した。

ウズベキスタン商工会議所のディルショド・ラスロフ副会頭は日本との貿易に言及した。同副会頭によると、2023年の貿易額は2億3,010万ドルで、うちウズベキスタンの輸出が1,060万ドル、輸入が2億1,940万ドルだった。輸出入の不均衡は、日本からの輸入がウズベキスタンで需要の高いハイテク製品中心のためと説明した。ウズベキスタンでは現在、日本との合弁企業66社が活動し、14社の日本企業が駐在員事務所を開設していると紹介した。

ウズベキスタンの人口は中央アジアで最も多い約3,700万人で、30歳未満の若年人口の割合が高い。対外労働移民庁のジャホンギル・ヒダイホジャエフ長官は、高度人材教育を受けた若者の国外労働市場への供給と、彼らの帰国後の国家経済への貢献を目標に、人材育成分野での日本の協力と、日本の高度人材不足へのウズベキスタンの貢献という相互協力を提案した。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロの前川信隆理事は閉会のあいさつで、今回のフォーラムによりウズベキスタンのビジネスの魅力と日本企業との協力の可能性について理解を深めることができたと評価し、今後も両国のパートナーシップが続くよう支援していくと述べた。

写真 閉会のあいさつをするジェトロの前川理事(ジェトロ撮影)

閉会のあいさつをするジェトロの前川理事(ジェトロ撮影)

(注1)大統領府付属統計局が1月19日に発表した2023年GDP成長率は6.0%。

(注2)うち対内直接投資(FDI)は、大統領府付属統計局と中央銀行のデータによると、7億2,000万ドル。

(小林圭子)

(ウズベキスタン、日本)

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