ウズベキスタン・日本ビジネスフォーラム開催、エネルギー・DX分野の協力議論

(ウズベキスタン、日本)

調査部欧州課

2024年01月18日

ジェトロは110日、ウズベキスタンのタシケントで、ウズベキスタン・日本ビジネスフォーラムを開催した。今回のテーマを「経済協力の新しい地平線 2024 -エネルギートランジションとDX-」とし、両国企業などによるプレゼンテーションの後、覚書(MOU)などの文書交換式を行った。

写真 フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

フォーラムには、ウズベキスタンのラジズ・クドラトフ投資産業貿易相、上月良祐経済産業副大臣が出席し、ジェトロからは前川信隆理事が参加。開会あいさつで登壇したクドラトフ氏は、日本はウズベキスタンの親密で信頼できるパートナーで、ウズベキスタンとの協力は年々勢いを増していると評価した。上月氏はウズベキスタンを「中央アジアの経済発展のエンジン」と評価した上で、日本の先進的なエネルギー・DX(デジタルトランスフォーメーション)関連事業や中小企業支援事業がウズベキスタンの産業育成や社会課題解決に資することに期待感を示した。

写真 スピーチを行うクドラトフ氏(ジェトロ撮影)

スピーチを行うクドラトフ氏(ジェトロ撮影)

1つ目のセッション「エネルギートランジション分野での可能性」では、ウズベキスタンのエネルギー省と日本企業・団体の4者が登壇。日本企業から、ウズベキスタンでの風力発電や省エネプロジェクトの提示があったほか、ウズベキスタンで優れた人的資源が育ってきていることを評価する声が上がった。

2つ目のセッション「DXと産業育成およびウズベキスタン経済の高度化に資する日本のスタートアップ」では、ウズベキスタンのデジタル技術省、スタートアップを含む日本企業・大学・団体の5者が登壇。デジタル技術省によると、地元スタートアップの育成に取り組んでおり、2028年までにユニコーン企業の創出を目指しているという。日本側からは、観測衛星を活用した災害やインフラ状況のモニタリングや、人工衛星の共同開発・運用の提案、医療分野ではウズベキスタンで展開する検診プログラムや医療機器の販売・サポート体制についての紹介などがあった。

フォーラムでは両国の企業など組織間で12件の協力文書が締結された。うち、ジェトロはウズベキスタン商工会議所と協力覚書を締結した。

写真 ジェトロはウズベキスタン商工会議所と覚書を締結。左からクドラトフ大臣、ウズベキスタン商工会議所のウミドベク・サファロフ副会頭代行、ジェトロの前川理事、上月経産副大臣(ジェトロ撮影)

ジェトロはウズベキスタン商工会議所と覚書を締結。左からクドラトフ大臣、ウズベキスタン商工会議所のウミドベク・サファロフ副会頭代行、ジェトロの前川理事、上月経産副大臣(ジェトロ撮影)

このビジネスフォーラムには210人ほどが参加した。ジェトロとウズベキスタン政府が主催し、協力団体は経済産業省、在ウズベキスタン日本大使館、後援団体は在ウズベキスタン日本商工会だった。

(後藤大輝)

(ウズベキスタン、日本)

ビジネス短信 8d17e365cea5d0c1