「第3回リバース・エキシビション」開催、現地調達化促進の機会に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年03月07日

インドネシア工業省、インドネシア金型工業会(IMDIA)、ジェトロは22728日の2日間、3者共催で「第3回リバース・エキシビション」を工業省内の展示スペースで開催し、35社が出展した。

写真 第3回リバース・エキシビションの様子(IMDIA提供)

第3回リバース・エキシビションの様子(IMDIA提供)

前回開催の2023年までは主にIMDIA会員向けに開催していた同展示会だが、今回は出展募集対象をIMDIA会員以外にも拡大したところ、自動車や家電、電気電子製品製造業、日用品・文具製造業や、潤滑油・金型洗浄剤メーカーなど、金型のみならず周辺産業からの参加もみられ、日系企業を含めた外資による出展もあった。こうした出展の目的は、現地調達の推進や自社製品の国産化率向上に向けた、新たなインドネシア国内取引先企業の発掘などだ。

製造業にとって、価格競争力強化などの観点から、現地調達の促進は重要な取り組みだ。加えて、インドネシア政府は国産品優先政策(P3DN)を推進し、特定の商品や政府調達品については製品ごとに一定の国産化率(TKDN)を定めている(注1)。また、製品の製造過程において、使用する設備機器の製造国がインドネシア国内か国外か、設備機器の所有者がインドネシア国内に所在しているかどうかに応じて国産化率の計算方法が調整される(注2)など、当国においては製造設備の現地調達も重要な要素だ。

衛生用品を取り扱う日系日用品メーカーは、現在日本から輸入している商品をインドネシア国内製造に切り替えるため、インドネシアにおけるプラスチック部品の委託製造先候補との商談を求めて出展し、地場のプラスチック成型金型製造業者から共同開発を持ちかけられた。同金型製造者は、これまで製造していない製品分野にも事業を広げたいとのことだった。

当地で筆記用具を製造するゼブラ・アサバ・インダストリーズは、金型やコアピンなどの金型部品を日本から輸入している。同社は「金型の現地調達を図るために出展を決めた。現地金型サプライヤーとの接点を得られたことは収穫だ」と述べた。また、日本からインドネシアの金型サプライヤーを求めて出展した金型商社のゲートジャパンは、プラスチック成型、プレス金型、オートメーションパーツの製造者など約20社と商談することができたと述べた。

(注1)国産化優先政策の概要などについては2022年5月27日付地域・分析レポート参照。

(注2)国産化率の算定方法などについては2023年12月27日付地域・分析レポート参照。

(鹿住成子)

(インドネシア)

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