北米最大の水産専門見本市で、日本産水産物の魅力PR

(米国、日本)

農林水産食品部商流構築課

2024年03月25日

米国ボストン市で31012日、北米最大の水産専門見本市「Seafood Expo North America 2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますSENA)」が開催され、ジェトロは日本産の水産品・水産加工品を取り扱う19社・団体が出品するジャパンパビリオンを設置した。SENAは米国のボストンで毎年開催され、Seafood Expo Global(バルセロナ)、中国国際漁業博覧会(青島市)と並び、世界3大水産見本市の1つとされている。

写真 世界中から多くの出展者・来場者が集まった会場(ジェトロ撮影)

世界中から多くの出展者・来場者が集まった会場(ジェトロ撮影)

主催者の発表によると、2024年は49カ国から1,210以上の出展者が参加した。ジャパンパビリオンにも、北米を中心に世界各国から多くのバイヤーが訪れて商談を行ったほか、米国での販路拡大を目指す日本産ブリやタコなどの試食を楽しむ様子がみられた。

写真 ジャパンパビリオンのブース(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンのブース(ジェトロ撮影)

農林水産物・食品輸出促進団体(品目団体)の日本ほたて貝輸出振興協会と日本養殖魚類輸出推進協会は独自にブースを構え、それぞれ調理実演や試食提供などを行い、来場者でにぎわいを見せた。

ジェトロはまた、在ボストン日本総領事館との共催により、会期2日目の311日にSENAの隣接会場で「日本産水産物の魅力発信プロモーションinボストン(Discover All the Charms of Japanese Seafood in Boston)」を実施した。イベントには、現地の食品関連事業者やメディア、インフルエンサーなど約150人が来場した。オープニングで鈴木光太郎・駐ボストン日本総領事が登壇し、日本産水産物の魅力を紹介。

ボストンで長年支持されている日本食レストラン「Oga’s Japanese Cuisine」の大賀亨エグゼクティブシェフ兼オーナーが調理デモや試食提供を行い、日本の水産物のおいしさをアピールした。同氏はこれまで香港や米国で日本食の魅力を広める活動を積極的に行っており、20221月にボストンでは初となる「日本食普及の親善大使」(注)に任命されている。今回は「ホタテとイチゴソースのイクラ添え」「真鯛の昆布締めイクラ添え」「ブリとごまぽん酢のウニ添え―マッシュルームを添えて―」を披露し、多くの来場者が舌鼓を打った。

写真 大賀シェフによる日本産水産物の魅力紹介(ジェトロ撮影)

大賀シェフによる日本産水産物の魅力紹介(ジェトロ撮影)

写真 調理デモ・試食提供の様子(ジェトロ撮影)

調理デモ・試食提供の様子(ジェトロ撮影)

来場者からは、「日本の水産物は世界でも主役だということを実感した」「日本の甘い生のホタテがイチゴのソースと絡み、非常に新鮮でユニークな味だった」などといった声が上がった。乾杯ドリンクとして提供した日本酒とシェフの料理を合わせて楽しむ参加者も多く、「日本の魚料理と日本酒は最高のマッチングだ」という声も寄せられた。バイヤーからは「日本産水産物の調達を再考する良い機会になった」、日本の事業者からは「消費喚起を促すPRは輸出増加につながる効果が期待できる」といったポジティブな反応も聞かれた。

イベント会場内では、SENAに出展している日本企業・品目団体の商品紹介パネルを展示し、CNN作成の日本産ホタテのPR動画を常時放映するなど、日本産水産物全体をアピールした。日本産水産物の輸出をさらに伸ばしていくには、商談とプロモーションを両輪で行うことの重要性が確認された。

(注)日本食普及の親善大使:日本食・食文化の魅力のさらなる発信に取り組むため、日本食・食文化の普及に関する的確なアドバイスを行う日本料理関係者などを農林水産省が親善大使として任命している。

(小笹紘大、北出輝雄)

(米国、日本)

ビジネス短信 a85ea8c181b0b4f6