テネシー州で米食肉大手タイソンなどが参加、年次ミート・カンファレンス開催

(米国)

シカゴ発

2024年03月29日

米国テネシー州ナッシュビルでアニュアルミートカンファレンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(The Annual Meat Conference)が3月17~20日に開催された。北米食肉協会(NAMI)、食品産業協会(FMI)、その他の食肉関係団体などと共催で、同業界を取り巻く各種テーマで10以上のセミナーのほか、ブース展示、ネットワーキングイベントが行われ、2,400人以上が参加した。

セミナーでは、供給面では、肉牛飼養頭数が1951年ぶりの低水準となる2024年に引き続き、2025年も減少見込みであることや、牛肉生産量は2023年から2026年にわたって減少が見込まれること、それらを背景に2024年は牛肉輸入量増加・輸出量減少見込みなどが説明された。その他の説明では、購買方法としてZ世代(1997~2012年生まれ)の78%〔ブーマー世代(1946~1964年生まれ)は38%〕が店舗で購入するのと同じ食肉製品をオンラインで購入することや、需要面では人種ごとの違いとして、白人やヒスパニックは牛ひき肉、黒人は骨入り鶏肉、アジア人は骨なし鶏肉を最も好み、ブーマー世代は好きな食べ物の上位のほとんどをステーキ、チキンなどの肉料理が占めていたものの、Z世代ではパスタやすしといった肉料理以外もランクインしているなど、世代による嗜好(しこう)の変化などがあった。

19日午後には140以上の食肉関係企業・団体によるブース展示のほか、商談やPRが行われた。タイソン・フーズ(本社:アーカンソー州)、カーギル(本社:ミネソタ州)といった米国食肉大手のほか、トラスティド・ビ―ル・フロム・ヨーロッパ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(オランダ)、ボードビア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(アイルランド食糧庁)といった、米国への食肉輸出拡大を図る米国外の団体の出展も見られた。出展者からは、「米国の食肉関係事業者が一堂に会するため、米国市場での注目度を上げる広報の絶好の機会」といった声が聞かれたものの、日本産和牛を展示する事業者・団体はなかった。次回は日本産和牛関係者の参加を期待したい。

次回のアニュアルミートカンファレンスは2025年3月24~26日、フロリダ州オーランドで開催される。

写真 業界関係者をパネリストに招いたセミナー(ジェトロ撮影)

業界関係者をパネリストに招いたセミナー(ジェトロ撮影)

写真 ボードビアのブースでアイルランド産牛肉とラム肉のPR・試食提供(ジェトロ撮影)

ボードビアのブースでアイルランド産牛肉とラム肉のPR・試食提供(ジェトロ撮影)

(冨樫達也)

(米国)

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