EUの対中貿易、2023年は赤字幅縮小も、引き続き最大輸入相手国

(EU、中国)

ブリュッセル発

2024年03月15日

EU統計局(ユーロスタット)は3月4日、2023年のEUの対中貿易赤字(財金額ベース)は2,910億ユーロで、前年比27.0%(1,060億ユーロ)減と発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

EUの財の対中貿易赤字は2013年から2023年にかけて、2013年の1,040億ユーロから2022年の3,970億ユーロまで拡大したが、EUによる中国からの輸入減を主因として、2023年は赤字幅が縮小した。一方、EUの域外貿易で中国は引き続き最大の輸入相手国(構成比20.5%)だ。

2023年の中国からの輸入を品目別にみると、最大品目の電気通信機器は前年の631億ユーロから563億ユーロに減少した。続いて電気機器(365億ユーロ)、自動データ処理機械(360億ユーロ)が多かった。最も減少した品目は、化学反応の触媒として使用される有機・無機化合物と関連製品で、前年比45.4%減だった。一方、最も増加した品目は自動車で前年比36.7%増だった。

欧州委員会は貿易の中国依存軽減を目指し、重要原材料法案(2023年11月17日記事参照)などの対策を講じている。一方、現地報道は、EUから中国への輸出も今回減少したが、これは中国側も戦略的に西側諸国への依存度を下げるために、国内製造など輸入代替措置を進めている結果との専門家の分析を紹介している。

(大中登紀子)

(EU、中国)

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