中銀が3回連続で政策金利引き下げ、5.75%に

(チェコ)

プラハ発

2024年03月29日

チェコ国立銀行(中央銀行)は3月20日の定例金融政策会議で、翌21日付で政策金利を0.5ポイント引き下げて5.75%とすることを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。中銀は同時に、ディスカウントレート(割引率)とロンバートレート(債券担保貸付金利)も0.5ポイントずつ引き下げ、それぞれ4.75%、6.75%とした。

中銀は2023年12月に、2022年7月以降初めて政策金利を変更し、7.0%から0.25ポイント引き下げた(2023年12月25日記事参照)。今回は前回2月と同じく0.5ポイント引き下げ(2024年2月13日記事参照)、3回連続の引き下げとなった。

中銀は、2月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が中銀のインフレ目標2.0%にまで低下したことを受けて、国内物価の安定が回復したと判断した。ただし、2月のコアインフレ率(注)が2.8%で高止まりしていることを指摘し、特にサービス部門での価格の上昇継続に懸念を示している。さらに、インフレ押し上げリスク要因として、労働市場の逼迫による賃金上昇要求の高まり、通貨チェコ・コルナ安による輸入価格の上昇などを挙げ、こうしたリスクが現実のものとなった場合、インフレ率は2024年第2四半期(4~6月)以降、インフレ目標の許容範囲上限(3.0%)に近づく可能性があると指摘している。そのため、さらなる金利引き下げについては、慎重に臨む必要があるとしている。

(注)CPIから政府の統制価格や、価格変動が大きい食品、燃料価格を除いたコア指数の上昇率

(中川圭子)

(チェコ)

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