チェコ中銀が2回連続で政策金利を引き下げ、6.25%に

(チェコ)

プラハ発

2024年02月13日

チェコ国立銀行(中央銀行)は2月8日の定例金融政策会議で、翌9日付で政策金利を0.5ポイント引き下げて6.25%とすることを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。中銀は同時にディスカウントレート(割引率)とロンバートレート(債券担保貸付金利)も0.5ポイント引き下げ、それぞれ5.25%、7.25%とした。

中銀は2022年6月から2023年12月まで政策金利を11回連続で7.0%に据え置いた。今回は、前回12月21日の0.25ポイント引き下げに続いて(2023年12月25日記事参照)2回連続の引き下げとなった(添付資料図参照)。

今回の決定は、2024年1月のインフレ率が3.0%程度と、中銀のインフレ目標(2%)の許容範囲の上限にまで低下したとの見通しに基づくもので、中銀は2025年にかけてインフレ率が2%に近づいていくと予測している。一方で、労働市場の逼迫による賃金上昇圧力、サービス部門での価格上昇の継続、不動産ローン向け貸出額の急速な増加など、インフレ押し上げリスク要因も存在することから、今後のさらなる金利引き下げについては慎重に臨む必要があるとしている。

中銀が定例会議後の記者会見で発表した冬季経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、2024年のインフレ率は2023年の10.7%(確定値)から2.6%へと大幅に低減するとみており、2025年にはさらに2.0%に低下し、中銀のインフレ目標の2.0%に達するとしている。実質GDP成長率に関しては、2023年のマイナス0.5%(推定値)から、2024年は0.6%とプラスに転じ、2025年は2.4%と堅調な伸びを示すと予測している。

一方、財務省が2024年1月25日に発表した冬季マクロ経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、インフレ率は2024年に3.1%、2025年に2.6%、実質GDP成長率は2023年にマイナス0.6%(推定値)、2024年に1.2%、2025年に2.5%と、中銀よりやや慎重な予測となっている。

(中川圭子)

(チェコ)

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