冨士発條と豊田通商の合弁会社、米ノースカロライナ州でEV関連部品製造施設を建設

(米国、日本)

アトランタ発

2024年03月04日

米国のノースカロライナ州経済開発機構(EDPNC)は2月26日、フジハツ・アンド・トヨツウ・バッテリー・コンポーネンツ・ノースカロライナ(FTBC)が6,000万ドルを投じ、ノースカロライナ州リバティに電気自動車(EV)のバッテリー用の角型アルミセルケースと放電バルブ付きセルカバーの製造施設を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

FTBCは、日本における角型アルミセルケースおよびセルカバーのシェアでトップクラスの実績を持つ、冨士発條の米国子会社のフジハツ・テック・アメリカと豊田通商アメリカの合弁会社として、2023年7月に設立された。出資比率は、フジハツ・テック・アメリカが60%、豊田通商アメリカが40%だ。FTBCの新施設における角型アルミセルケースとセルカバーの生産は2025年に開始され、当初の生産量は月産270万個、2026年1月には月産360万個に達する見通しだ。

ノースカロライナ州では、トヨタ自動車が総額139億ドルを投じてEV用バッテリー工場を建設中で、2025年に稼働予定だ(2023年11月7日記事参照)。FTBCの新施設で生産される角型アルミセルケースとセルカバーは、トヨタ自動車のEV用バッテリー工場へ納入される見込みだ。EDPNCのクリストファー・チャン最高経営責任者(CEO)は「クリーンエネルギーとEV産業におけるノースカロライナ州の評判は、トヨタ自動車のような旗艦企業だけでなく、EVサプライチェーンの主要プレイヤーも引きつけている」と述べた。

同州ではほかにも、リチウムイオンバッテリー(LiB)に使用する合成黒鉛の大手メーカーであるインドのイプシロン・アドバンスト・マテリアルズによる6億ドル以上の投資(2023年11月1日記事参照)や、先端材料研究の米フォージ・ナノによるLiB製造工場建設のための1億6,500万ドル以上の投資(2023年11月20日記事参照)、大日本印刷による車載用LiBのバッテリーパウチ製造工場建設のための2億3,300万ドルの投資(2023年11月30日記事参照)など、バッテリー関連投資が相次いで発表されている。

(檀野浩規)

(米国、日本)

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