2023年の外国人来訪者数、新型コロナ感染拡大前の約7割、2024年は約8割へ

(シンガポール)

シンガポール発

2024年02月07日

シンガポール観光庁(STB)は2月1日、同国を2023年に訪れた外国人来訪者数(ビジネス目的の出張者や観光客を含む)が1,360万人と、新型コロナウイルス流行前の2019年の71%まで回復したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。STBは2024年の外国人来訪者数について「1,500万~1,600万人」と、新型コロナ流行前の約8割まで回復するとの予測も明らかにした。

2023年の外国人来訪者数は、STBが2023年1月に発表した予測「1,200万~1,400万人」には達したが、外国人来訪者の回復の勢いは2023年8月以降減速し(2023年10月27日記事参照)、同年8~11月の来訪者数は前月比ベースでマイナスとなった。一方、12月の来訪者数は124万人と前月比12.7%増加し、プラスに転じた。チャンギ・エアポート・グループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、チャンギ空港の2023年の年間利用旅客数は5,890万人で、2019年の86%まで回復した。

STBは2023年1月、予想外の事態が起こらない限り、2024年までに同国観光業界が新型コロナ感染拡大前の状況に戻るとの見通しを示していた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。しかし、同庁は今回の予測では、2024年に新型コロナ感染拡大前の水準には戻らないと見込んでいる。同庁は発表の中で「地政学上の先行き不透明感や国際経済の状況、航空便の回復動向が観光業界の回復のペースに影響を及ぼす」と指摘した。

中国との相互ビザ緩和で来訪者増加に期待

一方、中国とシンガポールは2月9日から、両国の一般旅券所持者に対して、入国から30日以内の滞在について相互にビザを免除する予定だ(2024年1月29日記事参照)。これを受け、両国間の旅行者の増加が期待される。

中国からシンガポールへの来訪者数は2023年に140万人と、インドネシア(230万人)に次いで、国・地域別で2位だった。中国からの来訪者数は新型コロナ流行前の2019年に363万人と、国・地域別で最多だった。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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