外国人来訪者数の回復の勢い減速、2カ月連続で前月比減

(シンガポール)

シンガポール発

2023年10月27日

シンガポール観光庁(STB)の最新の統計によると、同国を9月に訪れた外国人来訪者数は113万755人と、前年同期比44.6%増加した。外国人来訪者数は7月に141万9,640人を記録し、新型コロナウイルス流行後で最多となったが、8月に次いで9月も前月比で減少した(添付資料図参照)。

2023年1~9月の来訪者数は、新型コロナ流行前の2019年同期と比較して71%まで回復した。来訪者の国ごとにみると、インドネシアからは75%まで回復した。他方、新型コロナ流行前には国別で最大だった中国からの来訪者数は同期と比較して35%にとどまっている。日本からは49%の回復だった。シンガポールでは2022年4月以降、新型コロナ流行に伴う水際対策を段階的に緩和し、2023年2月から全ての水際対策を撤廃している。

また、STBの統計によると、同国のホテル(客室300部屋以上)の客室稼働率は8月に85.6%だった。7月には新型コロナ流行以降で最高値となる89.9%を記録していた。

夜間公道自動車レースのF1、観客は前年下回る

シンガポール都心部では9月15~17日、恒例の夜間の公道自動車レース「フォーミュラーワン(F1)シンガポール・グランプリ」が開催され、海外からの来訪者数が前年を下回ったもようだ。同国の英字紙「ストレーツ・タイムズ」紙(9月15日付)」によると、F1の観客は、過去最高だった2022年の30万2,000人から、2023年には推定約25万人へと減少した。

STBは2023年1月に、2023年通年の外国人来訪者数の予想を「1,200万~1,400万人」と設定している。外国人来訪者数の回復の勢いは減速しているものの、通年予測には達する見通しだ。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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