中国、改正反スパイ法は「適時、適切、適度」と反論

(中国)

北京発

2024年02月08日

中国の国家安全部は2月1日、メッセンジャーアプリ「微信」上の公式アカウントで「『反スパイ法』の改正は適時、適切、適度なもの」との文章を発表した。一部の外部勢力が中国の正常な反スパイ活動を歪曲(わいきょく)し中傷しているとして、改正反スパイ法の正当性を述べたもの。同文章は英語版も同時に発表されている。

第1に「改正のきっかけが適時」として、現在のスパイ活動の取り締まりは、活動主体の多元化、目的の複雑化、分野の広範化、手段の隠蔽(いんぺい)などにより難しさを増しており、改正反スパイ法は新たな情勢に適応するものだとした。その上で、(改正後に)米国の中央情報局(CIA)や英国の秘密情報部(MI6)の中国に対するスパイ活動を取り締まったとして、改正反スパイ法は、国家安全を守るための法律上の有力な武器を提供したとした。

第2に「立法という形式が適切」として、立法によりスパイ活動を防ぎ、国家の安全を守ることは国際的に広く行われているとした。その上で、米国、英国、フランス、ロシアなどのスパイ関連法案を挙げ、スパイ行為の予防・取り締まりのために法律を制定し、国家秘密漏洩(ろうえい)を防止し国家安全を守ることは「大国としてのスタンダード」だとした。

第3に「法律による権限の付与が適度」として、改正は中国内の法律を厳格に順守し、手続きも規定に沿ったもので、権限と責任が明らかであり、中国の立法活動の公正・透明さと明確さを体現したものだとした。改正手続きにおいて、一般への意見募集のほか、座談会や討論会、第一線の法執行の現場への調査などを通じて広く意見を求め、審議は「立法法」の規定に厳格に沿って行われたとした。また、改正によりスパイ行為の定義をより明確にし、反スパイ法の執行と監督責任が強化されたとした。同時に、人権の保障と尊重、個人と組織の合法的な権利を保障することが明確に規定され、国による法執行のルールや審査プロセスがより明確となり、国家安全機関による法執行への監督が強化されたとした。

国家安全部は2023年12月にも改正反スパイ法がビジネス環境へ影響を与えるという見方に反論している(2023年12月11日記事参照)。

(河野円洋)

(中国)

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