2024年末までに再エネ発電設備容量が13億kW超える見込み

(中国)

上海発

2024年02月06日

中国の電力業界団体の中国電力企業聯合会は1月30日、「2023-2024全国電力需給状況分析と予測レポート」を発表した。同レポートによると、2023年の国内電力消費量は前年比6.7%増の9兆2,200億キロワット時(kWh)、1人当たり電力消費量は6,539kWhとなった。2024年の国内電力消費量は、マクロ経済やエネルギーの電化を背景に、前年比約6%増の9兆8,000億kWhに増加するとの予測を示した。

2023年の電力消費は、第一次産業で前年比11.5%増の1,278億kWh、第二次産業で前年比6.5%増の6兆700億kWh、第三次産業で前年比12.2%増の1兆6,700億kWhだった。また、2023年の発電設備容量は29億2,000万キロワット(kW)、そのうち風力発電と太陽光発電の発電設備容量の合計は10億kWを超えた。非化石エネルギー発電容量が総発電設備容量に占める割合は50%以上で、石炭火力発電の発電設備容量が総発電容量に占める割合(40%)を上回った。ただし、発電量でみれば、石炭火力発電が総発電量の6割近くを占め、2023年上半期の降水量不足の影響などによって生じた水力発電量の減少を補うなど、石炭火力発電が依然として中国の電力供給の主力電源であるとも分析した。

2024年末までの中国国内の電力発電容量は前年比約12%増の32億5,000万kWに達し、前年末から約3億kW拡大すると予測した。そのうち太陽光発電と風力発電の発電設備容量は13億kWを超えると予測しており、12億kWと見込まれている石炭火力の発電容量を上回る見込みだ。

一方で、発電設備容量は増加するが、2024年の夏と冬の電力使用ピーク時には電力が逼迫することも予測し、電力送電網の最適化に向けた投資や電力負荷を低減させる電力料金制度の構築、グリーン電力証書の取引拡大などによるグリーン電力供給力の拡大などに取り組むべきとの提言もなされた。

(神野可奈子)

(中国)

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