サービス税率、3月1日に6%から8%へ引き上げ、課税対象拡大も

(マレーシア)

クアラルンプール発

2024年02月29日

マレーシアのサービス税率が3月1日から、現行の6%から8%へ引き上げられる。2月26日付の官報で公示された(税関ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。税率変更は2024年国家予算案の発表時に表明されていた(2023年10月23日記事参照)。

「サービス税(税率)(改正)指令2024」と「サービス税率の変更に関するガイドライン」によると、主なポイントは次のとおり。

  • 飲食、通信、駐車場サービスは3月1日以降も税率を6%に据え置く。
  • 新たに課税対象となるサービスとそれぞれに適用される税率は、カラオケ8%、修理・メンテナンス(注)8%、金融を除く仲介・引き受け8%、物流6%。
  • 上記のうち物流については、別途詳細な「物流サービスに関するガイドライン」を2月7日に草案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)として、同月26日には確定版(いずれもマレー語のみ)を公開。これによると、従来課税対象だった倉庫管理、宅配、通関に加え、物流が新たに加わる。ただし、積み替えを含む国際配送や、飲食品の配達は課税対象から除外する。
  • サービス税の賦課は、課税対象サービスが提供された日に基づいて行われる。従って、3月1日前後にまたがるサービスは、同日より前の部分は現行の6%、同日以降は8%の税率を適用する。ただし、後者について、3月1日より前に支払いを受けている場合は、そのまま6%の税率を適用することができる。

日本企業含め、全ての課税事業者は制度変更への対応が必要なほか、その他企業も支払先に対するコスト増を考慮する必要がある。また、税率の異なるサービスが混在する例も想定されるため、業種別ガイドラインに従って契約ごとに判断を要する場合がある。

なお、「サービス税(税率)(改正)指令2024」は税関ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの「Service Tax (Rate Of Tax)(Amendment) Order 2024」、「サービス税率の変更に関するガイドライン」(マレー語のみ)は税関ガイド一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの「Panduan Perubahan Kadar Cukai Perkhidmatan」、「物流サービスに関するガイドライン」(マレー語のみ)は税関産業ガイド一覧外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの「Perkhidmatan Logistik」で確認できる。

(注)修理・メンテナンスは、国家予算発表時に提示した各種資料で対象に含まれていなかった。官報発行までの間に、税関が2月7日に公開した「サービス税率の変更に関するガイドライン草案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(マレー語のみ)を除き、政府から公式発表がなかったことや、政府と関係者間で事前協議がなかったことに対し、国内の専門家からは批判も出ている。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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