商業大臣規則2023年第36号と工業大臣規則2024年1号で、輸入手続きの一部を改正

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年02月02日

インドネシア商業省は2023年12月11日、輸入手続きにかかる商業大臣規則2023年第36号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布した。本規則は、商業大臣規則2022年第25号の改定令に当たり、公布から90日後の3月10日から施行される。主な変更点は次のとおり。

(1)通関後検査(ポストボーダー)品目の減少、通関時検査(ボーダー)品目の増加

(2)輸入承認(PI)取得が必要な品目の増加

(3)船積み前検査(LS)が必要な品目の増加

製品ごとに適用される輸入規制については、商業大臣規則2023年第36号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の添付書類より確認できる(2023年12月28日記事参照)。なお、現時点では本規則に基づく輸入承認取得申請の開始時期が明確にされておらず、3月10日以降輸入認可の空白期間が生まれる可能性が懸念される。

また、工業省は1月8日、鉄鋼製品の技術見解書(PERTEK、Pertimbangan Teknis)の発行条件の見直しを規定した工業大臣規則2024年第1号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。主な変更点は次のとおり。

(1)国産原材料の使用計画および実績の報告義務の新規追加(API-Uを除く)。

(2)PERTEKの審査結果は申請に必要な要件の具備が確認されてから5営業日以内に発行。(ただし、申請内容に是正の必要があると判断され差し戻された場合において、差し戻された日から5営業日以内に是正しない場合は自動的に申請却下)

(3)輸入卸売会社(API-U)を含む、各事業者が提出すべき申請必要書類の明確化。

  1. エンドユーザーとの売買契約書の添付。
  2. 輸入実績、流通実績にかかる年2回(2月・8月)の報告義務など。

プラスチック・化学製品の輸入、API-Uによる鉄鋼原材料輸入に注意が必要

プラスチック・化学製品については商業大臣規則2023年36号でPI・LS対象品目が新規に追加されたことに加え、PERTEKの取得要件として検査報告書(LHV)の提出義務が追加された。工業省は、LHVの具体的要件として、輸入製造会社(API-P)に対して生産能力検証報告書(LHVKI)、API-Uに対してLHVKIおよび一般輸入検証報告書(LHVIU)の提出を義務付けているが、LHVKI、LHVIUの作成手順、審査方法については規定されておらず、さらなる情報の公表が待たれる。

API-Uによる原材料輸入については、政令2021年28号で停止されたのち、政令2023年46号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます第19条で条件付きでの輸入停止解除が規定された。一方、輸入停止が解除されるための具体的条件が示されず、実質的には輸入停止の状態が続いている。本工業大臣規則により、API-Uによる鉄鋼関連原材料の輸入認可取得にかかる要件が示されたことで状況の改善が期待されるが、今後API-Uが原材料輸入の認可を得られるのか、運用を注視する必要がある。

(中沢稔、中村一平)

(インドネシア)

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