1月のインドの乗用車販売台数総計、UV好調で単月の過去最多に

(インド)

ベンガルール発

2024年02月22日

インド自動車工業会(SIAM)は2月14日、2024年1月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、前年同月比13.9%増の33万9,441台で(添付資料表1参照)、2023年10月以来となる3カ月ぶりの2桁成長となった。部門別では、多目的自動車(UV)が34.5%増と好調が続いている。なお、表1の数字には含めないが、地場タタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると、1月単月の乗用車販売台数は39万3,074台に上り(注)、単月での過去最多を更新した。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比23.3%増の188万8,194台だった。

SIAMのビノド・アガルワル会長は「乗用車は消費者心理が前向きに働き手堅い成長を見せ、二輪車は農村部の市場回復を背景に好調となった。商用車は1月こそ伸びなかったが、年度が終了するまでの向こう2カ月は好調が見込まれる。2024年度の国家(暫定)予算に盛り込まれた、特に充電インフラや公共交通機関といった電気自動車(EV)のエコシステム強化が、自動車業界の成長を後押しするはずだ」とコメントした。

メーカー別乗用車販売(添付資料表2参照)では、上位2社は安定感を見せた。首位のマルチ・スズキが16万6,802台で前年同月比13.2%増、2位の韓国の現代は5万7,115台で14.0%増加した。トヨタ・キルロスカは80.7%増の2万3,190台と大きな伸びを見せ、1つ上の起亜と僅差につけた。なお、統計に含まれていないタタは、電気自動車(EV)を含め11.8%増の5万3,633台で、3位相当につけたもようだ(同社発表)。

車種別にみると、首位はスズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計7万6,533台)で、前年同月比3.6%増加。同ミニモデル(「アルト」など計1万5,849台)は37.7%減と落ち込んだ。現代の中型モデル(「ヴェルナ」計2,168台)は前年同月の2.2倍と好調だ。現代は1月16日にスポーツ用多目的車(SUV)「クレタ」の新モデルを発表し、インドの人気映画俳優2人をブランド大使に起用するなど、若者への浸透を狙う意向を示している。

そのほかのUV部門では、スズキはコンパクトUV(「ブレッツァ」など計2万9,109台)が前年同月の2.0倍で首位を維持し、UV(「グランド・ヴィターラ」など計2万8,070台)が前年同月比52.5%増加し好調だ。現代のコンパクトUV(「エクスター」など計2万60台)は、86.8%増となった。

1月単月の二輪車販売は、前年同月比26.2%増の149万5,183台となった(添付資料表1、表3参照)。主要部門のオートバイは前年同月比25.1%増の96万5,613台、スクーターは29.7%増の48万7,534台で、ともに2桁成長を回復した(添付資料表1参照)。

(注)タタ・モーターズの販売台数は、単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体およびセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(岩井澪佳)

(インド)

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