上海市、2024年商務状況通達会を開催

(中国)

上海発

2024年02月09日

中国の上海市商務委員会は2月1日、「2024年上海市商務状況通達会」を開催し、上海市人民政府の華源副市長らが出席し、経済情勢や2024年の重点目標などにつき発言した。上海市商務委員会のほか、政府関連部局、浦東新区政府、上海臨港ニューエリア管理委員会、虹橋国際中央商務区管理委員会、中国国際輸入博覧局などの代表らも出席した。

華源副市長は、上海市の経済は回復傾向にあると強調し、その根拠となる次の5つのポイントに言及した。

  1. 経済は穏やかに回復し、プラス成長に。2023年の域内総生産(GRP)の実質成長率は前年比5%となり、消費者物価上昇率は同0.3%、失業率は同4.5%となった(2024年2月5日記事参照)。
  2. 都市の核心的機能が着実にレベルアップ。2020年から「5つのセンター(注1)」建設が推進されており、C919国産大型旅客機、国産大型クルーズ船の商業運航を初めて実現。
  3. 各種産業の新たな発展と規模拡大。集積回路、バイオ医薬、AI(人工知能)の3大先導産業の産業規模が1兆6,000億元(約33兆748億円、1元=約20円)に達し、一定規模以上の工業企業の生産高における戦略的新興産業の生産高の割合は43.9%を占めた。
  4. 改革開放の成果が徐々に出始めた。上海自由貿易試験区ハイレベル制度型開放全体方案「80条」(注2)や「上海市虹橋地区長江デルタ地域の国際拠点(ハブ)としての機能強化に向けた政策措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」のバージョンアップなどが批准され実施に及んだ。
  5. 民生福祉が穏やかに改善。2023年の1人当たり可処分所得は、前年比6.6%増の8万5,000元に達した。

2024年に向けては、(1)「5つのセンター」建設の一層の注力、(2)ハイレベルの改革開放を進化させ、質の高い発展を推進、(3)都市計画をより効率化し、質の高い生活を創造、(4)一流の国際的ビジネス環境の構築、との目標を掲げた。

各国の在上海総領事館、商工団体、外資系企業の代表ら計530人が参加したほか、オンラインの参加者も2,500人を超えた。第7回輸入博の開催、都市の緑色低炭素への転換、在上海の外国人向け利便化措置などへの質問が各国の代表から提起され、各担当部局の責任者が逐一回答した。上海市の慣例として年始に開催される同通達会は、上海市政府と外資系企業との交流の重要な場となっている。

(注1)5つのセンターとは、経済センター、金融センター、貿易センター、輸送センター、科技イノベーションセンターを指す。

(注2)80条とは、2023年12月7日に中国国務院が発表した「国際高水準経済規則に対応し、中国(上海)自由貿易試験区の高水準制度的開放を推進する総合的計画」のこと。同計画は7つの分野に焦点を当て、80の新措置を打ち出した。

(陸姿音)

(中国)

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