政策金利を21.75%に引き上げ、地域情勢がインフレに拍車
(エジプト)
カイロ発
2024年02月05日
エジプト中央銀行(CBE)は2月1日、政策金利を2ポイント引き上げて21.75%とすることを発表した。CBEによる利上げは2023年8月以来となる(2023年8月7日記事参照)。
利上げの理由は長引くインフレの抑制だ。消費者物価指数上昇率は2023年2月以来、前年同月比30%以上の水準が続いており、2023年9月には過去最高の前年同月比38%に達した。最新(2023年12月)の数値は33.7%で、CBEによると、政府の予測を上回る数値だった。前年同月比で見た割合は落ち着いてきているものの、消費者物価の実態は上昇傾向だ(添付資料図参照)。
CBEは、政府の財政再建政策や、製品供給の不足、通貨供給量の増加といった国内要因に加え、紅海での海上貿易の混乱(2024年1月10日記事参照)や、地政学的な不確実性といった国際的な要因がインフレ圧力を高めていると分析する。CBEは物価安定のため、インフレ見通しを取り巻くリスクを引き続き注視するとし、将来の政策金利の動向はインフレの状況次第だと述べた。
(塩川裕子)
(エジプト)
ビジネス短信 7a35a945ceb9e08a