2024年度予算案でGJ州GIFTシティー内事業体への優遇税制を延長

(インド)

アーメダバード発

2024年02月09日

インドのニルマラ・シタラマン財務相が2月1日に発表した2024年度の国家暫定予算案において、スタートアップ企業への優遇税制措置や、政府系ファンド・年金基金による投資の優遇税制措置、および国際金融サービスセンター(IFSC)内の事業体の特定所得に対する免税措置の期限を、2024年3月31日から1年間延長することが盛り込まれた。IFSCは、今後も国内各地に設立される予定だが、現在は西部グジャラート(GJ)州で整備が進む国際金融特区GIFTシティーのみに所在する。

シタラマン財務相は予算案演説において、IFSCとその規制機関である国際金融サービスセンター・オーソリティー(IFSCA)が「グローバル資本と金融サービスのための強力なゲートウエイを提供している」と語り、税制に継続性を持たせることを目的に、現行の免税措置期限を2025年3月31日まで延長すると説明した。インド中央政府には、GIFTシティーを国際金融ハブに育てる意向があり、近年は毎年度の予算案でGITFシティー機能の活性化に向けた施策案を盛り込んでいる。

優遇税制の期限延長措置を受け、GIFTシティーIFSCのタパン・レイ最高経営責任者(CEO)兼マネジング・ディレクターは、「将来を見据えたアプローチ」だとし、「ビジネスのしやすさ」と「課税の安定性」を維持する面から極めて重要と述べた。その上で、「今回の決定は、IFSCのエコシステムを繁栄させ、インドの経済力向上に貢献するというわれわれの共通のビジョンに沿う」と歓迎の意向を表明した(「インディアン・エクスプレス」2月1日)。

一方、財務省は1月18日の通達で、GIFTシティー機能の強化を後押しするため、IFSCで提供可能な「金融サービス」として、従来の銀行、保険、再保険、航空機リース、船舶リース、資産管理、証券取引所などの分野に加え、新たに(1)簿記、(2)会計、(3)税務、(4)対金融犯罪コンプライアンスの4分野のサービスを追加した。これにより、IFSCに登録された事業体はGIFTシティーにおいて、非居住者に対しこれら4分野のサービス提供が可能になる。ただし、インド既存事業の再構築、再編成、分割によってビジネスを設立した非居住者は除外された。また、これら事業体は、インド国内のグループ会社から既存の契約や仕事の取り決めを譲渡したり、受けたりする方法でサービスを提供してはならないとしている。この動きは、GIFTシティーを会計や税務サービスのグローバルハブとして促進することにつながるものと期待されている。

(古川毅彦)

(インド)

ビジネス短信 746c1846cd3d34e4