ノバーク大統領が辞意を表明
(ハンガリー)
ブダペスト発
2024年02月13日
ハンガリーのノバーク・カタリン大統領は2月10日、辞意を表明した。未成年の性的虐待事件の共犯者として有罪判決を受けた児童養護施設の副院長を2023年4月に恩赦したことがメディアで報じられた後、同大統領は連日、批判を浴びており、前夜には大統領府前で数千人規模の抗議デモも行われた。
ノバーク大統領は辞意表明の中で、「子供は最も大切な宝だ」「子供たちを守ることはわれわれの共通の義務だ」と述べ、適切性を欠いた恩赦を行ったことでで「自分が傷つけてしまった人々に謝罪したい」とした。
直後に、ハンガリー国会議員で、同国会における欧州問題委員会の委員長を務めるバルガ・ユディット氏も、当時、司法相として大統領の恩赦決定を承認したことの責任を取るかたちで、自身のソーシャルメディアで辞意を表明した。バルガ氏は、国会議員を辞任するとともに、欧州議会選挙における与党フィデスの候補者名簿1位も辞退するとした。
ノバーク大統領は2022年3月10日に就任した、ハンガリー初の女性かつ最年少の大統領だ(2022年3月18日記事参照)。2024年2月10日付オンラインビジネス情報ポータル「ポートフォリオ」は、「ノバーク大統領は外交政策において非常に活発な国家元首であり、政府の方針よりも西側寄り、かつ親ウクライナの方針を追求した」と評した。2014~2020年には人材育成省の家族・若者担当局の秘書官を、その後2020~2021年には家族政策担当相を歴任し、積極的な家族政策でも知られている。
(宮内安成、バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
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