四川省、成都市、重慶市が2023年の経済指標を発表

(中国)

成都発

2024年02月02日

中国の四川省統計局と重慶市統計局は1月19日、成都市統計局は1月26日にそれぞれ2023年の経済指標を発表した。

四川省の域内総生産(GRP)は6兆132億元(約120兆2,640億円、1元=約20円)で前年比6%増、中国全体のGDP成長率(5.2%、2024年1月26日記事参照)を上回った。省都・成都市のGRPは2兆2074億7,000万元で、前年比6%増だった。重慶市のGRPは前年同期比6.1%増の3兆145億7,900万元で、四川省や成都市のGRP成長率を超え、中国全体のGDP成長率も上回った。

主要経済指標をみると、工業生産増加額では、四川省は前年比6.1%増と、中国全体の伸び率(4.6%)を上回った。主要工業製品をみると、シリコン単結晶、ポリシリコン、新エネルギー車の伸びがそれぞれ前年比2.1倍、2倍、87.2%増だった。四川省統計局の曾俊林副局長は記者会見で「2023年から四川省は既存産業のアップグレードと新興産業の育成を促進している」と述べた。重慶市は6.6%増と、中国全体を2ポイント上回っており、特に太陽光エネルギー工業用超透過ガラスが5.6倍となった。

社会消費品小売総額では、四川省が前年比9.2%増、重慶市は8.6%増で、ともに中国全体の伸び率(7.2%)を上回っている。特に成都市の伸び率が10%で、消費形態ごとにみると、商品小売りが6.9%増、飲食業が26.1%増、高級品の消費動向は、新エネルギー車が48.7%増、金・銀・宝石類が45.5%増だった。

固定資産投資は、四川省が前年同期比4.4%増、重慶市が4.3%増。ともに中国全体の3%増を上回った。重慶市のハイテク産業投資は前年比12.7%増、中でも検査やテスト、研究開発、設計といったハイテクサービス業の投資が16.1%増と好調だった。

四川省の黄強省長は1月22日の同省人民代表大会で、2024年のGRP成長率目標を6%前後に設定した。このほか、都市部調査失業率を5.5%前後、消費者物価指数(CPI)上昇率を3%前後、住民の所得の伸び率を経済成長率と同水準にするとしている。また、重慶市では、2024年の実質GRP成長率目標を6%前後に設定した。

(王慧シン)

(中国)

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