1,200メガワット規模の風力発電所を開発

(ラオス、ベトナム)

ビエンチャン発

2024年02月27日

ラオス計画投資省とラオス企業サワン・バユ・リニューアブル・エナジー(SVARE)は2月19日、陸上風力発電事業に関するプロジェクト開発合意(PDA)を締結した。ベトナム国境に近いサワンナケート県セポン郡ラコー地区で1,200メガワット(MW)規模の風力開発を行う計画で、投資総額は約21億ドルと推計されている。発電した電力は、ベトナム政府との協力覚書(MOU)(注)に基づきベトナムへ輸出される。

電源開発の盛んなラオスでは近年、主力の水力発電に加えて、風力発電や太陽光発電の開発が活発化している。風力開発では2023年4月から、ラオスで初めてとなる600MW陸上風力発電の建設が開始し、2025年第2四半期から商業発電を開始する計画だ(2023年5月16日記事参照)。また、同事業に出資しているタイのインパクト・エナジー・アジアは2023年9月、1,000MWの陸上風力発電に関するPDAをラオス政府と新たに締結し、2028年の完成を見込んでいる。そのほか、2023年7月にはベトナムのアミ・リニューアブル・クアンビンがセポン郡で187.2MWの風力発電に関するPDAをラオス政府と締結し、2025年第4四半期から商業発電を開始する計画だ。これらの事業以外にも、ボリカムサイ県やサワンナケート県、サラワン県など、ラオス中南部のベトナム国境付近では風力発電の調査が行われている。これらの地域で発電した電力はベトナム向けに輸出される計画で、調査中も含めて合計4,000MW以上のプロジェクトが提案されているもようだ。

なお、ラオスとベトナム両政府は2025年末までに稼働する風力発電所の電力価格について6.95セント/キロワット時(kWh)を上限とすることで合意しており、ベトナム国内の陸上・洋上風力による電力価格(8.5~9.5セント/kWh)よりも十分なコスト競争力があるとされる。

(注)ベトナム政府はラオス政府と、2025年までに3,000MW、2030年までに5,000MWの電力をラオスから購入する協力覚書に署名している。

(山田健一郎)

(ラオス、ベトナム)

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