ジェトロ、日本製品販促で電子決済最大手MoMoとベビーストア大手コンクンと連携

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2024年02月09日

ジェトロは2129日、現地のEC・小売事業者と連携して日本製品の調達・販路拡大を目指す取り組みの「JAPAN MALL事業(ジャパンモール)」(注1)の一環として、ベトナム国内最大シェアの電子決済アプリ「モモ(MoMo)」と、同国内で699店舗(129日時点)のベビー用品チェーンを展開する「コンクン(Con Cung)」と連携し、日本製品のO2O(Online to Offline、注2)プロモーションを実施している。

モモは、ベトナムのユニコーン企業4社のうちの1社であるMサービス(注3)が運営する電子決済アプリ。同社ウェブサイトによると、同国内の電子決済アプリシェアの68%を占める〔2023年第1四半期(13月)末時点〕。現地報道によると、コンクンは国内の子供向けおむつ・ミルク分野の小売市場で62.3%のシェアを占める(2023年第1四半期末時点)。

今回のプロモーションでは、コンクンが販売する日本の輸入商品、計18167商品を対象とし、モモのアプリ上で広告やバウチャーを掲載。消費者は、コンクンの店頭やECサイト上でモモを通して決済を行うことで、お得に商品が購入可能となる。さらに、246日には、モモのアプリのトップページにコンクンで取り扱うジャパンモール対象商品の広告を掲載した。

また、今回のモモを活用したプロモーションでは、ジャパンモールの日用品分野の連携事業者「ハチハチ(HachiHachi)」(注4)の自社ECサイトのジャパンモール商品特集ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの広告掲載も実施する。21日から14日間、同社が実施しているテト(旧正月)のキャンペーンに合わせて、同ECサイトに掲載された22社約150商品がお得に購入可能だ。

経済成長に伴いベビー用品市場も拡大

ベトナム統計総局によると、ベトナムの小売り・サービス売上高は、新型コロナウイルス流行前の2019年までの過去10年間で年率10%以上の成長を続けている。新型コロナ禍以降も、2022年は前年のロックダウンの反動もあって18.6%増、2023年も国内経済が厳しい中、9.6%増と成長を続けている。ベトナムのベビー用品市場も成長を続けている。ユーロモニターによると、ベビー食品分野の小売売上高は2022年で325,000億ドン(約1,983億円、1ドン=約0.0061円)、20222027年の年間平均成長率は5.9%との予測。ベビー・子供向け用品(注5)の小売売上高は2022年で14,000億ドン、20222027年の年間平均成長率は9.9%と予測。

今回の連携で、これまでリーチできなかったエリアの消費者に対するプロモーションの拡充を図る。オンラインとオフラインの双方でプロモーションすることで、ホーチミンやハノイだけではなく、郊外・地方エリアでも、日本のベビー用品・日用品の認知と消費の拡大が期待できる。

画像 ベトナムのジャパンモール事業のポスター「Happy shopping Japanese products in Vietnam」(ジェトロより)

ベトナムのジャパンモール事業のポスター「Happy shopping Japanese products in Vietnam」(ジェトロより)

(注1)ジャパンモール事業の概要はジェトロのウェブサイト参照。ベトナムでは2016年度から前身となる事業がスタートし、2023年度は日用品分野で「HachiHachi」、化粧品分野で「ARATA VIETNAM」「Matsumotokiyoshi Vietnam」「Vietnam Ohyama」(アルファベット順)と連携し、60社300商品以上の日本の商品を取り扱っている。

(注2)オンライン(ウェブサイトやアプリ)からオフライン(実店舗など)での購買行動に結びつけるマーケティング手法などを指す。略してO2O(オー・ツー・オー)とも呼ばれる。

(注3)Online Mobile Services(M_Service)。2021年12月にみずほ銀行が約150億円を出資(報道ベース)、資本提携を結んだ(ジェトロの調査レポート「ベトナムDX参入事例集」)。

(注4)ホーチミン市内で6店舗を運営のほか、自社EC、ShopeeなどのECプラットフォームに出店。

(注5)トイレ用品、スキンケア、ヘアケア、薬用製品など。

(三木貴博)

(ベトナム、日本)

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