エストニアの学術都市タルトゥでスタートアップイベント開催

(エストニア、日本)

調査部欧州課

2024年02月07日

エストニア南部の都市タルトゥで12426日、スタートアップイベント「スタートアップデー(sTARTUp Day)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。主催者はタルトゥ市やタルトゥ大学、タルトゥ・サイエンスパークなど8つの公共団体と企業。201612月の第1回開催以降、ほぼ毎年開催されており、今回が第8回目だった。

タルトゥ市の担当者によると、今回は約220人の投資家、約310人のスタートアップ幹部をはじめ、約300人のスタートアップ関係者を含む約3,400人が参加し、そのうち約20%が国外からだった。参加企業のテック分野で多く見られたのは、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)のほか、ヘルステック、フィンテック、ディープテックなど。

24日には、スタートアップ幹部などに向けたイベント「エグゼクティブデー」、投資家に向けたイベント「インベスターデー」をはじめ、さまざまなサイドイベントが開催された。夕方に行われたVIPレセプションでは、スタートアップ幹部や投資家、スタートアップデーのスピーカーなどが活発にネットワーキングを行った。

2526日にタルトゥ大学スポーツセンターで開催された「メイン・フェスティバル・デー」では、スタートアップの出展ブースによるデモエリアのほか、ピッチステージやマッチメイキング用のエリアなどが設けられた。

写真 デモエリアの様子(ジェトロ撮影)

デモエリアの様子(ジェトロ撮影)

デモエリアには、奈良県宇陀(うだ)市と、エストニアの自立走行配送ロボットを開発するスタートアップのクレボンがブースを出展した。同市とクレボン、エストニア・アントレプレナーシップ応用科学大学、ネクストイノベーション(注1)の4者は1月25日、スタートアップデーの会場で教育の連携に関わる基本合意書(MOU)を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。クレボンがエストニア・アントレプレナーシップ応用科学大学と協力して同国南部ビリヤンディで運営するロボット工学の教育機関「クレボン・アカデミー」に今後、英語によるコースを開設し、20259月に20人の日本人留学生を受け入れる。

写真 宇陀市とクレボンのブース(ジェトロ撮影)

宇陀市とクレボンのブース(ジェトロ撮影)

25~26日には、ピッチコンテストも行われ、持続可能な調達と金融のためのESG(環境・社会・ガバナンス)データインフラを提供するエスグリッド(Esgrid)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、軍事活動や採掘活動などでの帯域幅の制限や通信の中断に強いデジタル通信プラットフォームを提供するウェイレン(Wayren)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、安全性を強化した電子署名とデジタルIDプラットフォームを提供するeIDイージー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどが現地ベンチャーキャピタル(VC)などから賞金としての投資を獲得した。

タルトゥはスマートシティーを積極的に導入

エストニア第2の都市タルトゥは、同国最高学府のタルトゥ大学をはじめ、多くの高等教育機関や研究機関を持つ学術都市。同市の資料によると、発展した知識と科学に基づく強いスタートアップコミュニティーが形成されている。同市はスマートシティーに力を入れており、データに基づいて再設計した公共交通網と、市内のモビリティーを向上させるための自転車シェアリングシステムとの統合、古い住宅をエネルギー効率の高い近代的な住宅への改装など、さまざまなソリューションを導入している。また、市役所、大学、民間セクターが緊密に協力して効果的な試験運用を行う環境が整っており、水素、自動運転、ドローン、「科学からビジネスへの転換」などのテストベッド(注2)として利用されている。

(注1)日本人がエストニアで創業し、エストニアと日本の交流事業などを行う企業。

(注2)実際の利用環境に類似した環境で行う試験用プラットフォーム。

(森友梨)

(エストニア、日本)

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