日本の起業家育成プログラム「J-StarX」、インド初開催

(インド、日本)

ベンガルール発

2024年02月21日

日本の経済産業省の受託事業としてジェトロが実施した起業家育成プログラム「J-StarX」が2月13~17日の5日間、インドで初めて南部のベンガルールとハイデラバードで開催された。同プログラムには、10倍以上の倍率の書類選考を突破した日本の若い起業家13人が参加した。

13~15日の3日間はベンガルールに滞在し、全国ソフトウエアサービス産業協会(NASSCOM)やインド経営大学院バンガロール校(IIMB)などを訪問したほか、参加者の関心分野に合わせ、科学技術省が設置したC-CAMPなどのインキュベーション施設、インド理科大学院(IISc)やバンガロール国際情報技術研究所(IIITB)内のイノベーション施設、関連するビジネスを実施するインドのスタートアップ企業などを個別に訪問した。3日目には地場ベンチャーキャピタル(VC)に短いプレゼンテーションを行うピッチコンペティションに登壇し、グローバルな視点からの的確なアドバイスを受けた。このほか、インドのIT大手インフォシス訪問や、公共デジタルインフラ「インディア・スタック」を開発した非営利のシンクタンクiSPIRTによる講義などを通じ、インドのIT産業の競争力やインド政府が推し進めるデジタル化の取り組みなどを学んだ。

写真 インフォシスでの集合写真(ジェトロ撮影)

インフォシスでの集合写真(ジェトロ撮影)

16~17日の2日間はテランガナ州ハイデラバードに滞在し、州政府の世界最大級を誇るイノベーション施設「T-HUB」やインド工科大学ハイデラバード校(IITH)を訪問。同校の起業部やコンピュータサイエンス、人工知能(AI)を学ぶ学生たちにピッチを披露し、けんけんがくがくの議論が行われた。

日本政府による起業家の海外派遣事業には10年以上の歴史があるが、これまで米国シリコンバレーを中心に行われており、今回が初のインド派遣となった。日本側の参加者からは、「ピッチコンペでは、自分のふがいなさに悔しくて涙が出たが、最終日のIITH学生へのピッチはとても楽しく行うことができた」「今回感じたインドの魅力を他の起業家コミュニティーなどに発信したい」「世界のビジネストレンドに乗り遅れないよう、インドに移住したい」「起業家として成功し、社会貢献したい」など、経験を生かす決意にあふれるコメントが聞かれた。

写真 IIT-Hでの交流(ジェトロ撮影)

IIT-Hでの交流(ジェトロ撮影)

3月7日には東京で、他国を訪問したプログラムと共同で成果報告会が行われる予定。

(夏見祐奈)

(インド、日本)

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