英中銀、金利を据え置き、利下げにはさらなる根拠が必要との認識示す
(英国)
ロンドン発
2024年02月02日
英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は2月1日、政策金利を5.25%に据え置くことを発表した。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定。市場の予測どおり、2023年9月から4会合連続の据え置きとなった。
MPCでは9人中6人の委員が据え置きを支持し、2人が0.25ポイント上昇の5.50%、1人が0.25ポイント低下の5.00%を支持した。サービス価格のインフレ率や賃金上昇率は予測よりも低下している一方、インフレの粘着性を示す指標は高止まりしているとし、中期的かつ持続的に目標の2%を達成するよう、金融政策の引き締めが十分な期間必要とした。その上で、利下げを検討するにはさらなる根拠が必要とした。
今回の発表では、併せて金融政策報告書も公表された。同報告書では、2024年の第2四半期にインフレ率が一時的に目標の2%まで低下する一方、第3四半期、第4四半期に再び上昇し、2024年末までに約2.75%となると予測した。
実質GDP成長率の見通しについては、2024年第1四半期についてはゼロ成長、2025年第1四半期に0.5%、2026年第1四半期に0.8%、2027年第1四半期に1.5%を見込むとした。2023年11月の報告書からは、2024年第1四半期を下方修正、2026年第1四半期を上方修正した。これまでの利上げによる成長率への影響が緩和され、緩やかな成長を見込むとしている。また、潜在的な供給の伸びは抑制されると見込まれるが、需要見通しについても弱いことから、短期的には経済が停滞するとした。
(山田恭之)
(英国)
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