国際エネルギー機関(IEA)、インドの加盟交渉開始へ

(インド)

調査部アジア大洋州課

2024年02月27日

国際エネルギー機関(IEA)は2月14日、インドの正規加盟への交渉の開始を決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。インドは2017年にアソシエーション国となり、2023年10月には加盟申請を正式に行っていた。本交渉を通じて、インドの加盟が決定すれば、国際的なエネルギーのガバナンスにおいて重要な変革がもたらされると期待が集まっている。

交渉開始の決定に伴い、インドのナレンドラ・モディ首相は「インドは、主要経済国の中で最も急速な成長を遂げているが、持続的な成長を続けていくためには、エネルギー安全保障と持続可能性が必要不可欠だ。世界17%の人口を抱えるインドが才能を結集し、より大きな役割を担うことは、IEAにとっても有益だ」と加盟に向けた抱負を語った。またIEA事務局長のファティ・ビロル氏は「インド抜きで世界のエネルギー計画を語ることはできない」と、本交渉入りの重要性を強調した。

IEAが2月7日に公表した「2030年までのインド石油市場見通し(Indian Oil Market Outlook to 2030)」によれば、今後インドでは全世界の石油需要増加分の3分の1を超える1日当たり120万バレルの需要増が見込まれており、2030年までには同国の石油需要は同660万バレルに到達する見通しだ。他方、インド国内の石油生産能力については、2023年現在の1日当たり70万バレルから中期的に減少し、2030年には同54万バレルにまで落ち込むと予想されている。世界2位の原油輸入国であるインドは、グリーン水素製造や電気自動車(EV)の普及などを通じて国内のエネルギー転換を急いでいる。

(深津佑野)

(インド)

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