重慶市、オートバイ産業の集積を目指す

(中国)

成都発

2024年01月26日

中国の重慶市政府は1月15日、「重慶市のハイエンドなオートバイ産業クラスターの高品質な発展行動規画(2023~2027年)」(以下、規画)を公開した。規画では、2027年までに重慶市でのオートバイ産業の生産額を1,400億元(約2兆8,000億円、1元=約20円)とし、同市でのオートバイ年間生産台数を800万台以上にするとの目標が掲げられた。そのうち、250㏄以上の排気量のオートバイ年間生産台数を25万台に、電動バイクの年間生産台数を400万台にするなどの目標を掲げた(注1)。

今回発表した規画は、年間生産能力50万台以上のオートバイ企業を4社育成し、コアとなる部品企業を集積させ、現地調達率を80%にするほか、オートバイ産業における研究開発を拡大し、2つのオートバイ産業クラスターを形成するなどの計画を示した。目標達成のため、オートバイ製品ラインアップの最適化、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化に向けた取り組み、オートバイ産業のスマート化発展(注2)、産業クラスターの重点エリアの建設、オートバイの海外における市場開拓などを図るとしている。

重慶市共産党委員会の機関紙「重慶日報」によると、中国にあるオートバイ完成車メーカー459社のうち、43社は重慶市に集積しており、また中国全体のオートバイ完成車の輸出台数のうち、重慶市からの割合が47%以上を占めている一方で、同市で生産されるオートバイは排気量の小さいローエンド製品の割合が高い(「重慶日報」1月15日)。

同市では近年、オートバイ産業の質の高い発展を促進している。同市の経済信息化委員会が2023年8月に発表した「重慶市のオートバイ産業の質の高い発展に向けた政策措置」では、(1)新車種の開発、(2)完成車の輸出、(3)オートバイ産業技術のイノベーション創出、(4)検査の4分野において補助金制度を導入し、オートバイ産業の質の高い発展を促進するとしている。

(注1)2022年の重慶市のオートバイ生産台数は448万9,000台で、そのうち250cc以上のオートバイは8万2,000台、電動バイクは71万台。

(注2)オートバイ製品のインテリジェンス化や、製造過程におけるデジタル技術の応用などが掲げられている。

(王植一)

(中国)

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