サムスン電子、AI搭載スマートフォンを発表、挽回なるか

(韓国)

ソウル発

2024年01月23日

韓国のサムスン電子は1月17日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンノゼで開催した新製品発表イベントで「ギャラクシーS24シリーズ」を公開した。

同シリーズには人工知能(AI)技術を活用した新機能が多数搭載されている。特に注目されているのは、音声通話でのリアルタイム双方向の通訳機能だ。端末に搭載したAIを基盤に自動通訳をすることで、クラウドベースでの通訳と比べて、時差が少なく、セキュリティー面でも安心して利用できる。対応言語は日本語、英語、中国語、韓国語をはじめとした13言語。その他、AIを活用した誤字脱字や誤った表現の修正、メッセージの自動翻訳機能に加えて、グーグルとの協業により、指で円を描くことで画像検索が可能な「サークルトゥーサーチ」機能も搭載されている。同社のスマホ事業を統括する盧泰文(ノ・テムン)社長は「ギャラクシーS24シリーズは、新たなモバイルAI時代を開き、多くのユーザーの潜在力を発揮する新たな場になるだろう」と話した。

サムスン電子のスマホ販売では低迷が続いている。米調査会社IDCによると、2023年のスマートフォンの世界出荷台数は、米アップルが前年比3.7%増の2億3,460万台で首位に立った一方、サムスン電子は前年比13.6%減の2億2,660万台にとどまり、13年ぶりに首位から陥落した。これまでも他社に先駆けて新技術を搭載したスマートフォンで話題を集めてきたが、今回も「ギャラクシーS24シリーズ」の売り上げを伸ばし、挽回できるかが焦点だ。

(花輪夏海)

(韓国)

ビジネス短信 e2eb22cf11190701