12月の貿易赤字は198億ドル、赤字幅は前月より縮小

(インド)

ムンバイ発

2024年01月22日

インド商工省(MoCI)が1月15日に発表した「貿易統計」(速報値)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年12月の貿易収支(サービスを除く)は198億ドルの赤字で、42カ月連続の貿易赤字となった(添付資料図参照)。12月の輸出額は384億5,000万ドルと前年同月比で1.0%増加した一方、輸入額は582億5,000万ドルで4.9%減となったことで、赤字幅は前月の205億8,000万ドルからは縮小した。

輸出額の内訳をみると、金額の大きいエンジニアリング製品100億4,114万ドル(前年同月比10.2%増)、宝石・宝飾品類28億9,933万ドル(14.1%増)、電気製品26億2,363万ドル(14.4%増)が増加し、輸出額を押し上げた。一方で、石油製品については68億7,943万ドル(17.6%減)と減少した。

輸入額では、石油製品・原油149億4,234万ドル(22.8%減)、有機・無機化学品21億5,778万ドル(15.6%減)、輸送機器20億8,453万ドル(55.1%減)の減少が目立った。他方、金については30億2,601万ドルと前年同月の2.6倍に膨らんだ。

インドでは、旺盛な内需を背景に長期にわたって貿易赤字が続いており、2023年(暦年)もその傾向が続いた。輸入額の内訳をみると、消費量の大半を輸入に依存する石油および石油製品の割合が大きく、通年で輸入額全体の4分の1以上を占めた。一方、輸出額の内訳をみると、電気製品が年間を通して前年同月比で増加した。インド政府は、製造業振興を通じた雇用創出と貿易赤字の縮小を目的として、「自立したインド」をスローガンに掲げており、製造業者が内需向けだけでなく、輸出向けに活発に取り組んでいる。

(丸山春花)

(インド)

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