2028年までのサブサハラアフリカの再エネ導入容量、ASEANや中東を上回る64GWとIEA予測

(アフリカ、南アフリカ共和国、アンゴラ、ケニア、ナイジェリア)

調査部中東アフリカ課

2024年01月29日

国際エネルギー機関(IEA)は1月11日、再生可能エネルギーに関する報告書「Renewables 2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。報告書によると、世界全体の再エネ導入(増加)容量は2023年に510ギガワット(GW)となった(2024年1月22日記事参照)。

サブサハラアフリカでの再エネ導入容量は、2017~2022年の17.8GWから、2023~2028年には3.6倍の約64.0GWを見込んでいる。これは、2023~2028年のASEANでの導入容量予測の63.1GWや、中東・北アフリカでの導入容量予測の62.0GWを上回る。

同地域では、再エネ導入容量のうち、太陽光発電と風力発電が約80%を占める。特に南アフリカ共和国が約20%増で、サブサハラ地域の導入容量の約5割のシェアを占める見込みという。その他、エチオピアでの水力発電が6GW、ナイジェリアでの太陽光発電が5GW、アンゴラとケニアでも新たな再エネ発電がそれぞれ2GW以上導入される予測になっている。タンザニアでは水力発電が新たな再エネ導入容量の80%を占める見込みだ。

サブサハラアフリカの再エネ発電については、工事期間の長い水力発電が多いこともあり、水力発電に関する投資と工事の進捗によっても左右される。また、ケニアでは電力の固定買い取り制度により、太陽光や風力の新規発電投資が増加傾向にあり、政府の刺激策によって再エネのプロジェクトが進む例もある。

また、報告書によると、アフリカの農村部など送電網が未整備の地域では、国際機関の金融支援や技術支援により、オフグリッド、ミニグリッドでの太陽光発電による電化策が進んでいる。ナイジェリアでは全国にミニグリッドを整備し、太陽光発電によって病院、学校などへの電力供給を進めているという。

(井澤壌士)

(アフリカ、南アフリカ共和国、アンゴラ、ケニア、ナイジェリア)

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