ジェトロ、広州市政府との意見交換会開催、ビジネス環境の改善を要望

(中国、日本)

広州発

2024年01月16日

ジェトロは2023年12月19日、現地進出日系企業のビジネス環境改善を目的に、在広州日本総領事館、広州日本商工会との共催で広州市政府との意見交換会を開催した。

今回の意見交換会では、都市交通、ビザとパスポート、産業政策、事業環境の5分野で合計13項目の要望や質問が日系企業から寄せられ、広州市政府の各関連部門と意見交換を行った。

うち、自動車産業支援に関しては、BEV(バッテリー式電気自動車)とICE(ガソリン車)のナンバープレート発行スピードの差の是正という要望があった。これに対し、広州市商務局の呉炳祥副局長は、(1)2023年はすでに5万のガソリン車の販売枠を追加し、ナンバープレート発行条件を緩和したほか、(2)省エネガソリン車フェスティバルの開催を計画している、と回答した。

また、2023年8月に中国公安部は、「外国人居留許可の申請手続きに際して、パスポートを申請者の手元にとどめることも可能とする」(2023年8月7日記事参照)という措置を開始した。しかし、広州市では引き続き、外国人が居留許可(注)を更新する際はパスポート原本を数日間、公安局に預けることになっており、更新完了までの期間は代理パスポート(紙)が発行される。代理パスポートの運用では紛失トラブルなどの事例もあり、原則、パスポートを預けない運用にしてほしいとの要望があった。この要望に対して、広州市公安局の担当者は、「外国人が居留許可を申請する際、パスポートが所有者のものであるとわかれば手元に置いておくことは可能。ただし、居留許可以外でビザ申請する場合は、公安局にパスポートを預ける必要がある」と回答した。

出入国の簡易化をめぐっては、外国人の中国出入境時の自動化ゲート(E-Chanel)の利用に事前登録が必要のため、事前登録できる場所を追加してほしい、広州市では琶洲のフェリー乗り場のみ登録可能だが、白雲空港での事前登録の受付をしてほしいという要望も寄せられた。こうした要望に対し、広州市公安局の出席者は、広州市の白雲国際空港で自動化ゲート利用登録場所の増設に関する可能性を論証し、管轄部門の国家移民管理局に意見を聞く、と回答した。現段階では入国後、国家移民管理局サービスプラットフォーム(電話:12367)で予約の上、広州市内に位置する琶洲のフェリー乗り場で登録手続きを行える、と案内した。

(注)居留許可には、就労(駐在員)、記者、学生、私的事由(駐在員家族)などがある。また、ビザには、商業・貿易、就労、交流・訪問・視察などがある。

(汪涵芷)

(中国、日本)

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