インド外相、ロシアを訪問しプーチン大統領らと会談

(インド、ロシア、ウクライナ)

ニューデリー発

2024年01月11日

インドのスブラマンヤム・ジャイシャンカール外相は2023年12月25~29日、ロシアを訪問した。ウラジーミル・プーチン大統領と27日に会談したほか、デニス・マントゥロフ副首相兼産業商務相、セルゲイ・ラブロフ外相とも面会。貿易、経済、エネルギー、防衛など幅広い分野における2国間協力について協議を行った。

ジャイシャンカール外相はラブロフ外相と27日に行った共同会見で、インド・ロシア間の首脳会談を2024年に再開させたいと言及した(「ヒンドゥ」紙2023年12月27日)。両国間の首脳会談は2000年から毎年行われてきたが、2021年の会談(2021年12月13日記事参照)を最後に、ロシアがウクライナに侵攻した2022年以降中断している。また、プーチン大統領がジャイシャンカール外相との会談で、ウクライナ情勢の解決方法を巡りインドとの間で意見の相違があることを認識しながらも、ナレンドラ・モディ首相によるロシア訪問への期待感を示したことが報じられた(「タイムズ・オブ・インディア」紙2023年12月28日)。

なお、ジャイシャンカール外相のロシア訪問期間中、インド南部タミル・ナドゥ州に位置するクダンクラム原子力発電所の建設に関する合意書のほか、医薬品・ヘルスケア分野における協力に向けた覚書や外務協議に関わる協定も両国関係者間で締結された。

また、ジャイシャンカール外相は2024年1月3日、自身のX(旧ツイッター)アカウントの投稿で、ウクライナのドミトロ・クレバ外相と同日に電話会談を実施したことを明らかにした。クレバ外相も同日、自身のXアカウントで、近い将来インド・ウクライナ政府間協議を実現させることで両者が合意したと投稿している。

(広木拓)

(インド、ロシア、ウクライナ)

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