自由アルゼンチン再建債、シリーズ1第3回の落札額が急増

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年01月15日

アルゼンチン中央銀行は1月11日、自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)シリーズ1の3回目の入札結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。落札額は11億7,900万ドルで、過去2回の落札額を大きく上回り、これまでの入札と合わせた落札額は13億400万ドルとなった。シリーズ1の募集額は最大50億ドル。1月末まで入札を続ける。

1月11日付の現地紙「ペルフィル」(電子版)は、自動車産業の企業による大きな買いが入り、特定の1社による購入額が大きかったと伝えている。

また各種報道によると、不調だった過去2回の入札から一転して入札が好調だった理由は、公式為替レートと優良スワップ取引(CCL)に介在する為替レート(CCLレート)の乖離幅の拡大、1月10日に公表されたアルゼンチン政府とIMFが拡大信用供与措置(EFF)の第7回レビューのスタッフレベルの合意に達したこと(2024年1月12日記事参照)、BOPREAL購入への優遇措置の強化などが挙げられる。

一部の輸入者がBOPREALの不確実性を嫌気して、BOPREALではなく債券取引を通じて外貨を取得するCCLでの未払い輸入債務の支払いに流れるなどした結果、ここ数日は公式為替レートとCCLレートの乖離幅が広がっていた。1月11日の公式為替レート(インターバンクレート)1ドル=815ペソに対して、CCLレートは1,147ドルとなっている。

BOPREALを購入した輸入者への優遇措置の強化について、中銀は入札と同日の1月11日に中銀通達A7941PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公布した。これによると、未払い輸入債務残高の50%以上の金額のBOPREAL購入者への優遇措置が強化され、輸出で得た外貨の一部を未払い輸入代金の支払いに充てることを認めた。また、未払い輸入債務残高の25%以上の金額のBOPREAL購入者への優遇措置が設けられ、同様に輸出代金の一部を未払い輸入代金に充てることを認めた。

中銀は引き続き入札を続け、2月以降に満期の短いシリーズ2、シリーズ3の入札を行う予定だ。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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