2023年の対内直接投資、過去最高を記録

(韓国)

ソウル発

2024年01月09日

韓国産業通商資源部は1月4日、2023年の対内直接投資について、申告ベースで327億2,000万ドル(前年比7.5%増)、実行ベースで187億9,000万ドル(前年比3.4%増)と、いずれも過去最高を記録したと発表した。

業種別、国・地域別、形態別の内訳については、次のとおり説明した(文中の数値は全て申告ベース)。

【業種別】

  • 製造業は119億2,000万ドルで、大型投資があった前年(2022年)に比べて4.5%減少した。製造業の中では、半導体・二次電池を含む電気・電子(40億6,000万ドル、前年比17.7%増)や、自動車・自動車部品を含む輸送用機械(17億6,000万ドル、前年比168.0%増)などの業種で増加した。
  • サービス業は177億9,000万ドルで、前年比7.3%の増加となった。特に、金融・保険(97億7,000万ドル、前年比108.5%増)などの業種で増加した。

【国・地域別】

  • EUに英国を加えた主要欧州諸国からの投資は98億2,000万ドルで、前年比21.6%増加した。特に2023年に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が訪問したフランスは大幅に増加した(11億8,000万ドル、同447.8%増)。
  • 米国(61億3,000万ドル、前年比29.4%減)や日本(13億ドル、同14.7%減)からの投資はいずれも前年の大型投資の反動で減少した。
  • 中華圏(注1)からの投資は前年比65.6%増の31億2,000万ドルと、新型コロナウイルス感染の影響を受ける以前の水準に回復した。

【形態別】

  • グリーンフィールド投資(注2)は235億4,000万ドルで、前年比5.5%増加し、2022年(223億1,000万ドル)を超えて、過去最高を記録した。
  • M&A型投資は91億8,000万ドルで、前年比12.9%の増加だった。

同部は2023年の対内直接投資が過去最高を記録した要因として、世界最大規模の半導体メガクラスターの構築、半導体や二次電池などの国家先端戦略産業育成に向けた政策の推進、大統領などの海外歴訪時の投資誘致活動(注3)を挙げている。

(注1)中国、香港、台湾。

(注2)外国に投資する際、外国に新たに法人を設立する形態で、工場やオフィス、施設などの設置、従業員の確保などを伴う。

(注2)2023年の尹大統領歴訪の際の誘致による投資は合計54億3,000万ドルで、全体の16.6%を占めた。

(橋爪直輝)

(韓国)

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