ガザでの集団殺害の提訴を巡り、国際司法裁判所でイスラエルが反論

(イスラエル、パレスチナ、南アフリカ共和国、オランダ)

テルアビブ発

2024年01月15日

オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は1月12日、南アフリカ共和国が集団殺害の疑いでイスラエルをICJに提訴した件を巡り、2日目の審理を行った。

審理の初日に南アによる口頭弁論が行われたのに続き(2024年1月12日記事参照)、2日目はイスラエルが口頭弁論を行い、南アの主張に反論した。ICJは、両日の審理の議事録をウェブサイトで公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ICJは15人の裁判官から構成されるが、両国がそれぞれ特別選任裁判官を指名したため、計17人の裁判官が出席した。

12日の口頭弁論では、イスラエル側共同代理人のタル・ベッカー氏が冒頭陳述を行い、「集団殺害とみなされる行為があったとすれば、それはイスラエルに対して行われたもの」と指摘した。さらに、「ハマスが繰り返すと公然と宣言している10月7日の虐殺と、現在も続いているガザからの攻撃に対して、イスラエルは自国民を守り、人質の解放を確保するために、あらゆる合法的な措置をとる固有の権利を有している」と主張した。ベッカー氏は最後に、「イスラエルはハマスのテロリストと戦っているのであって、一般市民と戦っているのではない」と述べ、「南アによる申請は名誉棄損として却下されるべきだ」と締めくくった。

2023年10月7日の軍事衝突開始から100日目を迎える前日の1月13日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はテルアビブで演説を行った。イスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ネタニヤフ首相は「われわれは最後まで、完全勝利まで、つまり、ハマスの壊滅、人質の全員返還、ガザが二度とイスラエルの脅威とならないようにするという全ての目標を達成するまで、戦闘を続ける」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、南アフリカ共和国、オランダ)

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