12月のインフレ率は5.69%、野菜価格で続く高騰
(インド)
調査部アジア大洋州課
2024年01月22日
インド統計・計画実行省(MoSPI)が1月12日に発表した2023年12月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)は185.7ポイント(速報値)で、前年同月の175.7ポイント(確報値)からのインフレ上昇率は5.69%だった。インフレ率は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)が中期目標値を4%(±2%)と設定している中で、上限値に近づきつつある(添付資料図参照)。
品目別でみると、消費者物価の半分近くの比重を占める食品のインフレ率(注2)が全体を押し上げ、8.7%だった。とりわけ価格変動の大きい野菜は27.6%と、前月の17.7%から大幅に上昇、特に都市部での上昇率が目立った。なお地域別のインフレ率は、都市部で5.93%、農村部5.46%だった。
インド政府は、2024年春に予定される総選挙を念頭に食品価格の安定を図るため、コメやタマネギなど、一部の食料品に対して輸出規制を設けている。特にタマネギについては、2023年8月に関税を40%かけて輸出量抑制を図ったものの期待される効果が出なかったことから、12月7日に2024年3月末までの輸出禁止に踏み切るなど、規制を強化している。
(注1)全国ベースのCPIは基準年の2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。
(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。
(深津佑野)
(インド)
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