江蘇省と浙江省の法定最低賃金、1月1日から9.2%引き上げ
(中国)
上海発
2024年01月17日
中国の江蘇省人力資源社会保障庁は1月15日、同省の法定最低賃金を1月1日にさかのぼって引き上げると発表した。改定は2021年8月1日以来2年5カ月ぶりとなる。前回改定からの全日制労働者(正社員)の引き上げ率は9.2%となった。
江蘇省では、最低賃金の基準設定に関し、省内各地を経済発展水準に応じて3ランク(1~3類地区)に分類している。全日制労働者の月額最低賃金は、1類地区が従来の2,280元(約4万7,880円、1元=約21円)から210元増の2,490元、2類地区が190元増の2,260元、3類地区が170元増の2,010元となった。また、非全日制労働者(パート)の最低時給基準も一律2元引き上げ、1類~3類地区でそれぞれ24元、22元、20元となった。
なお、最低賃金には、残業手当や夜勤、高温・低温環境下での労働、地下労働、有毒有害物質を扱うなどの特殊な作業環境・条件下での手当、住宅積立金の個人負担分などが含まれず、企業側は別途関連規定に基づいて支払う必要がある。
また、浙江省政府も1月15日、同省の法定最低賃金を1月1日にさかのぼって引き上げると公表した。江蘇省と同じく、2021年8月1日以来の改定となった。省内1~3類地区の最低賃金基準は前回同様に、今回改定でも江蘇省と同額のため、全日制労働者(正社員)の引き上げ率も9.2%となった。パートの最低時給基準の額も同様だ。
浙江省の最低賃金には、残業手当や夜勤、高温・低温環境下などの特殊な作業環境・条件下での手当は含まれず、企業側が別途に支払う必要があるが、住宅積立金の個人負担分については言及されていない。
(劉元森)
(中国)
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