2022年の海外からの訪問者数は増加も、政府目標に届かず

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年01月19日

ベトナム統計総局によると、2022年の海外からベトナムへの訪問者数(推定)は前年比24.3倍の3661,200人だった。20223月に新型コロナウイルス対策の入国後の隔離措置が撤廃されて以降、訪問者数は急増したが、政府が定めた500万人という目標には届かなかった。

訪問者数の内訳を国別にみると、上位3カ国は韓国965,400人、米国318,200人、タイ202,200人だった。日本は174,700人で6位だった。

月別にみると、3月は41,740人だったが、その後右肩上がりに増加し、12月には707,071人に達した(添付資料図参照)。しかし、新型コロナウイルス流行前と比較すると、2019年は年間1,800万人の訪問者があったのに対し、2022年の実績はその5分の1程度にとどまる。

 ベトナム文化・スポーツ・観光省は2023年の目標として、海外からの旅行者(800万人)と国内旅行者(1200万人)を合わせて1億1,000万人の観光客を誘致し、約650兆ドン(約36,400億円、1ドン=約0.0056円)の観光収入を目指すとしている。

首相、外国人旅行客のビザ政策の見直し指示

ベトナムの海外からの訪問者数は、タイなど東南アジアの近隣諸国に比べて伸び悩み、観光業の回復で遅れをとっている。19日付の複数の現地紙によると、ファム・ミン・チン首相は公安省出入国管理局に対して、オンラインによる電子ビザ発給手続きの簡素化など、外国人旅行客の入国を円滑にするために現行のビザ政策を見直すよう指示した。

また、12月に開催されたポストコロナの国際観光業回復に関する政府の会議では、グエン・バン・フン文化・スポーツ・観光相が、外国人旅行客のビザなしでの滞在期間を30日に延長すること(注1)や、入国時にアライバルビザ(注2)を発給することを政府に提案した。チン首相は同会議で文化・スポーツ・観光省に対し、外国人旅行客の誘致計画を完成させ、1月末までに政府の承認を得るよう要請している。

(注1)ベトナム政府は2022315日、日本などを対象として、ビザ免除措置を再開することを決定。対象国の国民は、ベトナムの滞在期間が15日以内であれば、ビザ取得は免除される(2022318日記事参照)。

(注2)アライバルビザは、入国時に国際国境ゲートで発給されるビザのこと。

(児玉良平)

(ベトナム)

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