米環境保護庁、クリーン・スクールバス購入で約10億ドルの助成金受給者を発表

(米国)

調査部米州課

2024年01月12日

米国環境保護庁(EPA)は1月8日、クリーン・スクールバス(CSB、注1)購入で約10億ドルの助成金受給者を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EPAの第1回CSBプログラム助成金コンペで67件が選出され、700万人以上の生徒が在籍する37州の280学区で2,700台以上のCSB購入に使用される。この助成金は、低排出ガス車やゼロエミッション車への移行を加速して生徒たちとその家族を取り巻く大気環境を改善、経済を活性化し高賃金の雇用創出を狙っている。1月8日にはペンシルベニア州を含む17州(注2)、9日にはユタ州を含む16州(注3)、10日にはオクラホマ州を含む4州(注4)の受給者が公開された。

カマラ・ハリス副大統領は「毎日2,500万人の子供たちが乗るスクールバスの大部分はディーゼルで走行しており、生徒、教師、バス運転手が大気汚染にさらされている」「本日発表した歴史的な資金援助は、気候危機への取り組みの一環として、子供たちの健康、教育への投資だ。また、米国の製造業と労働力に投資することで、私たちの経済を強化する」と述べている。

EPA長官のマイケル・リーガン氏は「私たちは電気自動車(EV)および低排出ガスのスクールバスへの移行を再加速し、生徒たちがきれいな空気を吸える、より健康な未来を確保することに貢献する」「バイデン大統領の歴史的な投資で、さらに数千台のスクールバスが全米の学区で運行され、経費削減と同時に大気の質も改善されるだろう」としている。

バイデン米政権は2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)に基づく助成金として、スクールバスから排出される温室効果ガス(GHG)の削減に向けた助成プログラムであるCSBプログラムに対し、5年間(2022~2026会計年度)で50億ドルを支出すると発表していた(2022年6月1日記事参照)。

2022年5月の2022CSBリベートプログラム(予算5億ドル)、2023年9月の2023CSBリベートプログラム(予算5億ドル)に続き、今回のCSB助成金プログラム(予算10億ドル)の採択が発表された。今回の発表により、累計で約 20 億ドルを助成し、米国内の約5,000台のEVおよび低排出ガス自動車のスクールバスへの資金提供となった。

(注1)EVのスクールバス、圧縮天然ガスのスクールバス、プロパンガスのスクールバス。

(注2)ペンシルベニア州、オハイオ州、ニューヨーク州、ウェストバージニア州、コネチカット州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、カリフォルニア州、イリノイ州、ニュージャージー州、バージニア州、ネバダ州、インディアナ州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、ミシガン州、ケンタッキー州の17州。

(注3)ユタ州、メリーランド州、フロリダ州、コロラド州、アラバマ州、ノースカロライナ州、ノースダコタ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オレゴン州、ワシントン州、ジョージア州、モンタナ州、アイオワ州、カンザス州、ネブラスカ州の16州。

(注4)オクラホマ州、ルイジアナ州、テキサス州、アーカンソー州の4州。

(見並一明)

(米国)

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